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調査の窓から  さまざまな人間関係・世情・社会的関心ごとなど適宜取り上げていきます
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このコーナーは、調査を通して感じた事を始め、世情、社会的関心ごとなどを適宜取り上げます。ご意見・ご感想など、Eメールでドシドシお寄せください。お待ちしております。


第30回 【 建物の構造疑惑と調査業 】

耐震強度偽装建物が社会問題になっている。
責任の所在が明らかにされないまま年の瀬を迎えたマンション購入者は、不安をかかえ、怒りを何処にぶっつければいいのか分からないまま新年を迎えようとしている。保障問題の早期解決が急がれる。

マンション購入は、一生に一度の買い物である。何千万円のお金を出して購入した終の棲家が建築基準を満たしてない不良物件である、と聞いた購入者の気持ちは察するにあまりあるものがある。物が物だけに不良物件だと聞いて簡単に諦めきれるものではない。

最終消費者であるマンション購入者は、販売業者、設計業者、施工業者、建築確認業者等々によって造られた偽の構造物を、見た目立派に見える器を信用して購入してしまった結果の悲劇だ。建物の隠れたところを見たくても見えないのをいいことに、業者は購入者を欺したのだ。業者は、社会の信頼を裏切ったのである。

これらは百万言尽くしても、偽装物件に変わりはない。すべての言葉は言い訳である。国のお墨付きを与えられた検査機関の検査を受けたとか、国家資格を持つ設計士が担当した物件だからとか、或いは信用できる施工主だとか、販売会社だから安心できる、等々言っても信用できない。と、いう現実に出くわしたのである。

私は、今回の耐震強度偽装問題と同じようなことが、自分の携わる調査業でも行われていることに出くわした。建造物の偽装は検査してみれば分かるが、我々の業界の偽装は、見ても偽装が分からないのである。

調査業者の偽装は何か、というと「虚偽の報告」である。調査依頼の趣旨に基づいて調査を実行する。そして、調査して分かった事実は伝えているのだが、事実関係が虚偽なのである。上辺の事実だけを報告して内容は虚偽なのである。

このことを耐震強度偽装問題に置き換えると、建物は見た目、大変立派で説明の通りである。しかし、その建物を支える土台の部分がデタラメである。肝心な部分にごまかしが見られるのである。肝心な部分は建物そのものを支えるきわめて重要な部分なのだ。

調査業者のごまかしは、次のようなものであった。
ある調査業者が、ご主人の依頼に基づいて、奥様の素行調査を実施したのであった。素行調査依頼の内容は奥様の不倫の事実確認、という事であった。当然の事ながら不倫の事実が疑われれば、その相手は何処の誰かという依頼も受けていたのであった。

前記の調査を受けた業者の報告は、依頼者の奥様が、自宅を空けて寝泊まりしているマンションに止められている車の姿は撮影していた。したがって、奥様の外泊先はつきとめていたのだった。

そして、そのマンションには男性が出入りしていたのであった。 ( 本当は住んでいた。 ) しかし、その男性は何処の誰であるかの確認をしていなかった様であった。報告では、その男性は奥様が借りているマンションの大家さんだという事だった。

その理由は、かの調査業者の報告書には、奥様の部屋を出た男性は、近くの大家さんの家に出入りしていたので・・・、奥様が借りている部屋の玄関付近に置かれている植木鉢に水をやって手入れしていたので・・・、というように報告書に書いてあったのを記憶している。

調査は 5 日間行われたようになっていた。しかし、奥様及び不倫相手男性と思われる人物の姿は、夜間車から降りる姿が 1 度撮影されたビデオ写真があるだけであった。 5 日間調査をした、とあったがその間 2 人の行動記録は一切ないのである。又、不倫相手男性が大家さんである、と決めた根拠が不自然であった。

この調査は、奥様が本来の自宅を離れて何処に出入りしているかの事実確認は問題がなかった。問題点は、奥様がなぜ、そこに出入りしているのか。男性が一緒であるならばその男性は何処の誰なのかを特定した経緯の説明が全く欠落していたのである。

この調査の依頼者は、離婚調停及び訴訟を見据えた上での調査依頼であったそうである。かの調査業者の報告書を受け取った依頼者は、報告内容に納得できなかったので、弁護士に相談されたらしい。その報告書を見た弁護士も、依頼者同様に、奥様の不倫相手男性を、報告書に書かれているとおりの男性であると決めつけるには根拠があやふやである。と、判断されたのだった。

以上のような経緯で、私の会社で調査をやり直すことになったのであった。結果は、先述の調査業者が名指しした、不倫相手男性は、人違いであった。そして、車が止まっているところとマンションの写真ばかりが貼り付けられた報告書で、マンションから奥様及び男性の出入りがないように書かれていたが、そんなことはなく、結構 2 人で出かけていたのであった。もちろん男性の身元も分かった。先の業者の報告の男性は違っていたのだ。不倫相手を間違って報告していたのであった。

今回の件で分かったことは、先の調査会社は、奥様がご主人の下を離れて出入りしているマンションを見つけることは見つけたのであった。しかし、その場所での生活の内容を調査しなかったのである。

自宅を離れてどこそこのマンションに出入りしている。と、いう事実のみを確認して、その内容と、なぜその様になったのかのひとつ一つの事実確認を行わなかったのである。

奥様の関係する事実確認をしなかったのである。車が停められている、或いは、マンションの写真の事実撮影のみを報告して、恣意的に報告書をまとめていたのであった。

もし、先の業者の報告書を見て、関係者が奥様の不倫相手男性に不法行為による賠償請求を起こしていたとすれば大変な失態であった。それ以前に報告書の不審に気付いた依頼者、弁護士の判断が正しかったのでいわれ無き難を免れたのだった。

尚、先の虚偽の報告をした調査業者は、善良な調査業者の集まりであると広告している「日本調査業協会」の加盟調査業者である。更に「弁護士協同組合」指定の業者として広告している。もう一つ言うと調査歴 30 年とか 40 年とうたっている業者である。

なぜ、ベテランの調査業者が虚偽の報告をするかというと、簡単である。調査能力が失せているのだと思う。時代の変化に対応できず、過去のイメージのみで調査を行っているのであろう事は明かである。調査の理論も無ければ技術もない、過去のイメージのみで他人の悩みに対応した、無能業者の見本のようなものだ。

ついでながら言うと、自分は何処どこの協会とか組合に所属しているとか、調査歴何十年、或いはマスコミへの露出度をことさら吹聴している業者を散見する。これらの業者の多くは調査能力に自信がないので自分の所属団体とかマスコミのチカラを借りて、さも実力があるように見せかけているのがこの調査業界の哀しいところである。

中味のない調査報告は、耐震強度偽造設計でやり玉に挙がっている「姉歯」氏が言う、仕事が切れるのを避けるために悪いと知りながら偽造に手を貸した。と、同じなのである。自分のことしか考えられないのである。全体を考えることが出来ないのである。調査は、部分的な何事かの集まりと共にその構造を正しく見極めなければならないのに・・・、である。

今回、同業者の失敗を取り上げたのは、私の方が優位にあるとか能力が優れているなどと吹聴したいが為ではない。真に社会のためになる調査業者を必要としている社会環境にあるにもかかわらず、業者の方がそれに気付かないで、過去の幻想にとりつかれたままに業を営むのは大変危険である。と、感じたからである。

人の悩みをタネに金儲けをするのではなく、悩み解消のお手伝いをして、感謝された結果の報酬をいただくのである。と、いうのが我々の調査業者である、という事が言いたかったのである。

従って、調査能力に自信のある業者は、依頼者に調査料金の先払いの請求及び強引な契約、或いは、依頼者の悩みをあおるような事はしないのである。その様な業者が少なくなれば調査業界は社会化される、と考える。
更に付け加えると、ある一業者のいたらなさを見つけてそれを攻撃し、自らの優位性を知らしめる目的でこのコーナーに取り上げたのではない。あくまでも調査業界の社会化をめざす一業者として、以前から聞いていた対象人物の人違いの報告、という事を目の辺りにしたので、この様なごまかしの報告をなくして、社会の信頼に応えられる業界でありたいという一念であえて苦言を申し上げたのである。

以上

文責 井上 俊彦

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