トップページへ
当社概要 理念・営業方針 探偵カウンセラー 調査種目・料金 結婚調査 素行・不倫調査
得意分野 人探し・家出人調査 カウンセリング 交渉術 内容証明・合意書 メルマガ
コラム Q&A 法律のいう離婚原因

調査の窓から  さまざまな人間関係・世情・社会的関心ごとなど適宜取り上げていきます

調査を通していろいろな人間模様を垣間見ることができます。
このコーナーは、調査を通して感じた事を始め、世情、社会的関心ごとなどを適宜取り上げます。ご意見・ご感想など、Eメールでドシドシお寄せください。お待ちしております。


第44回 【  個人化と調査業 】

ここで言う個人化とは、何事も個人の責任と義務に帰される社会的風潮の事である。

 

一昔前なら、1人の人間が何事かに悩んだり行き詰まったりした場合、家族が助言す

るとか、或いは親戚関係、地域社会、更に職場等々の人間関係の中でその事について

相談し、協力を得られるという事があった。しかし、今の社会では個人主義というか

個を重視する余り、人の事に口出ししなくなった。相談したい事があっても他者にな

かなか相談できない雰囲気があるようだ。

 

個人化の傾向は、それはそれで良い意味で社会と個人という様に自立した人間とし

て社会参加できている関係ならば良い。その反面個人化は、自分の事を中心に考える

ようになるので他者に対して協力するとか協調するとかの気持ちが希薄になってい

るように思う。自分の事で精一杯で人の事まで気が回らない、という感じである。

 

この事を象徴するように平成20年12月2日(火)付けの日本経済新聞の社会面に「若

者の献血離れ深刻」という記事が目にとまった。記事によると、献血をした事がない

理由を複数回答でたずねたところ、最も多かったのが「針を刺すのがいたいから」

31,2%。「何となく不安」30,8%。「時間が掛かりそう」21,6%。

 

一方、献血経験者に初めての献血のきっかけをたずねたところ「自分の血液が役に立

って欲しい」が60,0%で最多。高校での集団献血が「その後の献血への動機付けに

なるか」との問いでは「非常に有効」「どちらかといえば有効」が計84,6%に上が

った。と、あった。

 

高校での集団献血が安全性の問題などもあって減少傾向にある、という事だが、問題

は「献血に特に関心がない」という若者が増えているという事である。と、いうもの

だった。これは、「自分の血液が役に立って欲しい」という、結果と比べると大きな意

味の違いが伺える。

 

献血をした事のない人はこれからもしようとは思っていなくて「人の役に立ってほ

しい」というところまで意識できないようだ。人の役に立つようなことをしたことが

ない人は、その事について考えられないから、「針を刺すのがいたいから」「何となく

不安」なので「時間が掛かりそう」だから止めよう、となるのは自分の快不快を基準

にした都合で献血しない理由を述べている。

 

これは、献血をした人が言う「自分の血液が役に立って欲しい」という、自分は社会

の一員としてどの様な事が出来るか、そして、それはどの様に役立つか、それによっ

て自分はどの様な気持ちになるか等といった社会の一員の自覚が薄く、目に見えな

い社会の事を考えるよりも自分の行動で実感できる事を選ぶ、という若者の行動の

理由のようなものを感じた。

 

高校生の年令で、他者の事よりもまず自分の事を考えるのは当たり前。しかし、献血

をしない理由が、「針を刺すのが痛いから」「何となく不安」というのは余りにも子

供っぽい言い分の気がする。数年前は「自分の血液が役に立って欲しい」という思い

で献血する人が多かったのと比べると、時代なのか、目に見えない相手の事を考える

よりも、直接何らかの結果が分かる自分の事を考える考え方が若者の中にも浸透し

ているように感じられた。

 

自分の事だけを考えた行動を非難しているのではない。社会人として自立した年令

にある人は、自分の事を大切にするのと同時に、自身が係わっている他者への関わり

とか、心遣いとかの気持ちが働かなければならない。何かで困っている人がいても自

分と関わりがなければ何の手助けもしない人が多い社会になっている。事なかれ主

義の社会である。

 

どの様な人間でも自分一人では生きていけないのは皆さんご存じの通り。その事が

分かっている年令の人でも、他者の困り事を見て見ぬふりして避けて通ろうとする

社会である。成熟した社会になると人は、自分は自分というように他者の困難を目の

当たりにしても他者と一線を画した生き方をするようになっている。これは、本来の

進化と言わないのではないだろうか。先にも書いたが人間は一人では生きていけな

いので他者との協力・協調は必要不可欠である。

 

他者の事に良い意味で関心を示さなくなった結果、人間関係がどうも水くさく感じ

られる社会になったようだ。これは他者に頼らなくても生きていけるように高度化

した社会ではそうなのかもしれない。それと、個人情報保護法という法律が施行され

てから特に人間関係がギクシャクした方向に進んでいるようである。他者との関わ

りを拒否する様な個人情報保護法は、天下の悪法といわれているが同感である。郵便

配達の人にあるお宅を聞いても教えてくれないのである。

 

個人情報保護法の目的とするところが社会一般に共有されてない。不透明なので、同

じ地区に住む町内会の人の名前さえ分からないとか、同級生の子供のお家の親の名

前も分からないなどの事が現実にある。地域社会で生活しながらその存在を否定す

るかのような生活にもなる。これでは、イジメを無くして仲良くしましょう。と、言っ

たところで無理な気がする。一方で他者の事を知るな、といいながら仲良くしましょ

うなんて矛盾している。

 

イジメ問題が顕著になってきたのも人間関係が希薄になってきたのがひとつの要因

だと思う。弱い立場の子供が周りから守られる、という事が無くなって、強い立場の

子供のストレスのはけ口として、反論できない弱い子供に向けられる事が当たり前

になった結果イジメ問題が社会化したのである。

 

イジメの始まりは言葉で行われる。しかし、人間関係が希薄な家庭環境とか地域で育

った子供は、イジメの言葉に対し不快に思ってもどの様な言葉で言い返せばいいの

かとっさに言葉が見つからない。その繰り返しでイジメる方は無抵抗な子供に向か

って卑怯な言葉を投げかけるようなる。

 

要するに個人情報などによって法律で他者の何事かについて知るべからず、となる

と知ってはいけない範囲とか程度の臨海が曖昧なので、人の事を知らないようにし

て自分の事だけを考えてれば法律違反の問題も起こらないので無難。と、言う考えに

傾斜し、あらゆる場面で個人化現象が進み、人間関係が希薄になっていくのは誰の目

にも明かである。

 

最近、常識では考えられない動機による事件が後を絶たない。これらの犯人に共通す

る事は、相談する人がいなかった結果、思い込みがひどくなって「うつ破りの躁現象」

による犯罪を起こしたケースが観られる。人間が生きて行く人生で悩みはつきない。

その様な時、気軽に相談できる人があればどれだけ助かる事だろうか。

 

相談できる人がいないと自分1人であれこれと考える様になる。そこでの考えは、限

りなく内向的になると同時に、頭の中でうまくいかない事柄のイメージが膨らむ。そ

して、膨らんだイメージと現実が合わなくなる。イメージはあくまでも自分の頭で考

えた事なので、自分の事は自分が一番信じられる、という考えの本質から見て、現実

よりも自分の頭の中のイメージの方が信用できる。と、いう判断をしてしまう。これ

が、行動に移されると理解できない動機で犯罪行為を働く事になってしまう。

 

個人を尊重する事は大変大切な事であるが、過度にその事に反応すると人間として

の営みに味も何も無くなってしますように思う。天下の悪法の下の個人化現象は、こ

れまで気付かれてきた文化、歴史をも軽んじる傾向にある様に思う。出来てしまった

法律は守らなければならないが、過剰に反応せず、豊かな人間関係を築く要因になる

ように願っている。

 

更に、日常生活を送る中、誰でもいつでもという感じで自分にとって不都合な事柄は

発生する。そんなとき、抱え込まずに相談できる人とか場所を日頃から見つけておく

と良いのではないか。「うつの人」が6人に1人いると言われている今、心の病を回

避する意味でも気軽に相談できるところは誰にでも必要な社会になってきたのでは

ないだろうか。

 

我々の仕事である調査は、ある事実及び事実関係を現(あらわ)せば終わりだった時代は、協

同の意識が社会に根付いていた時代でした。調査で分かった問題点を親族などで協

議して解決策を模索する時代だった。しかし、個人化の今、調査で分かった事柄にど

の様に対応して良いのか分からない、とおっしゃる方が大変多い。

 

調査は、ある何事かの形式としての形はどの様になっているかを調べるのと同時に、

その形式の内容及び仕組みについても理解できるような調査でなければならない。

つまり、調査は依頼者が調べて良かった、と思われるようになるには問題解決の能力

を有した調査業者が、個人化の社会では求められている。

 

問題解決型の調査業者とは、調査能力はもちろん、調査結果を分析してより真実に近

づくためのプロファイリングの技法を有している事。更に、調査後に何らかの対策が

必要な場合、その解決方法と気持ちの整理方法などを正しくアドバイスできるカウ

ンセリングの能力などが求められているのは間違いのない現実である。ただ調べる

だけでお終いの調査業者は、社会から相手にされなくなるだろう。尚、一部の業者は、

調査をお受けする前の相談をカウンセリングだと勘違いしている業者がある。これ

は、営業上の対話であって決してカウンセリングはない。

 

調査業者は、調査をするだけではなく、心の悩み相談もできる民間の機関、となる方

向を目指すべきである。悩み事相談から調査まで、調査とカウンセリングを一体化し

た調査業者、これが21世紀の調査業者である。個人化が進む時代、目に見える調査と

それに絡む心の問題のスペシャリストがこれからの調査業者に求められている。

                  

以上

文責 井上 俊彦


『調査の窓から』
バックナンバー ⇒⇒
第1回 【 愛について 】
第2回 【 合理的離婚事情とは 】
第3回 【 離婚を決断する前に 】
第4回 【 離婚は人生設計をしてから 】
第5回 【 君子は危うきに近寄らず 】
第6回 【 ストーカーについて 】
第7回 【 DV防止について 】
第8回 【 有名と一流について 】
第9回 【 二極化について  】
第10回 【 プロの条件とは  】
第11回 【 人間関係は挨拶の言葉から  】
第12回 【 時代と社会、そして、調査業  】
第13回 【 不倫は人間学?それとも経済学!? 】
第14回 【 不倫は人間学?それとも経済学!?2 】
第15回 【 不倫と慰謝料 】
第16回 【 浮気と不倫。そして、慰謝料 】
第17回 【 ラジカルに進んでいる調査業社(者)の二極化 】
第18回 【 私はメールで離婚しました 】
第19回 【 女性の社会参加と不倫 】
第20回 【 調査業界の雑感 】
第21回 【 調査は、探偵カウンセラーの時代です 】
第22回 【 調査業者は「探偵カウンセラー」になります 】
第23回 【 いろいろな調査業者 】
第24回 【 歓迎される業界の法制化 】
第25回 【 生活の多様化と人間関係の希薄化 】
第26回 【 調査会社の今後のあるべき姿 】
第27回 【 時代と社会から歓迎される調査業者を希求します。 】
第28回 【 男と女のゲームオーバー 】
第29回 【 ますます分からなくなった人の心 】
第30回 【 建物の構造疑惑と調査業 】
第31回 【 調査業者の課題 】
第32回 【 素行調査の見積もり制に異議あり 】
第33回 【 迫られる調査業の改革 】
第34回 【 調査業の課題 】
第35回 【 探偵業法施行前に思うこと 】
第36回 【 調査業者は、何を期待されているのか? 】
第37回 【 調査業者は何が出来るのか No1 】
第38回 【 調査業者は何が出来るのか No2 】
第39回 【 調査後の対策はこれで万全 】
第40回 【 探偵とは何者なのか? 】
第41回 【 言葉の大切さ。浮気と不倫の違い。 】
第42回 【 役に立たない証拠もある 】
第43回 【 問題解決の方法 】

「気になることはまず調査」TEL 0120-10-7830 FAX0120-88-7830