1.まえ書き

興信所という所はどの様な仕事をしているのか、皆さんご存じのようですが実のところ、仕事の内容は余りご存じでない方が多い様です。時々次のようなお電話を頂きます。『興信所はどんな事をする所ですか。』『何を調べてくれるのですか。』『こんな事は調べてくれますか。』『こんな事、何処に頼めばいいのでしょうか。』『こんな事、聞いてくれますか』

個人中心とか個人化の時代といわれて久しい気がします。この事は個人の身の上に起こったいろいろな出来事については個人の責任で処理しなさい、という事ではないでしょうか。しかし、今の時代自分の事は自分で処理できて、何の悩みもない人生を送れる人がどれほどいらっしゃるでしょうか。

個人中心の時代だからこそ、他者との関係においてトラブルが発生した場合のあやふやな解決方法、或いは個人と社会の関係の中での秩序意識が希薄であるが為にいらざるトラブルが発生しているように思います。そして、まわりに気軽に相談できる人がいないことから解決しなければならない問題を抱え込み、それを悩みとして固定化させて不安な日々を送っている人も多いようです。

我々の仕事は、依頼に基づいて何事かを調べる、というものです。しかし、ただ調べるだけではなく、調査と直接関係のない相談も度々受けます。例えば、自分に向いている仕事が分からないのですが・・・、どうしたらいいのでしょうか。家族仲が悪くて困っています、どうすればいいのでしょうか、相談するところがないので・・・。等々多岐にわたった相談を頂きます。

これらの事から興信所はただ調べるだけではなく、悩み事などの相談先として社会が期待している、ということが分かります。今や興信所はただ調べるだけの所ではなく、困った時に気軽に相談できる相手として期待されているのです。従いまして、これからの興信所は、調査はもちろんカウンセリングの能力を備えた、問題解決の能力が求められているのは明かです。この事はアンケート結果でも明らかでした。

4〜5年ほど前、調査の依頼を頂いた方を始め電話で問い合わせを頂いた方、メールで相談を頂いた方々に『調査業者に何を期待されますか。』と、お尋ねしたところ、80%位の方が『調査後も何かと相談に乗ってくれる事を希望します。』又、その様な所に調査を頼みます。と、いう結果でした。これは、調査をして事実関係がハッキリしても、その事実にどの様に向き合って問題解決に取り組めばいいのか、悩まれる方が多いという事になります。

そこで、これからの興信所・探偵業者などの個人を対象とする調査業者は、時代と社会の求めに応じて、誰でも気軽に悩み事の相談が出来て、自分で調べられない事を頼める民間の機関としての役割を果たす事が、興信所がより社会に認知され、一部にある「胡散臭い仕事」のイメージを払拭できるのでは、と考えます。

一部に胡散臭いと思われている興信所の仕事ですが、個人を始め社会のお役に立っているのは間違いありません。しかし、中には興信所を利用したが損した。欺された。先払いしたが杜撰な調査だった。役に立たなかった。等々のご意見があるのも事実です。

プライバシーに深く関わる興信所などの調査業者は、依頼者の信頼に応えなければなりません。そして、誰でもお気軽にご利用いただける仕事として社会化されるのを強く望んでいます。正直なところ、興信所等の名前で調査業を営んでいる者の中にはいい加減な業者もあるようです。興信所の現実の姿を知って頂く
ために事例を交えて紹介しています。後半は社会から支持される為にこれからの興信所はどうあるべきかについて書いてみました。

困り事とか悩み事は誰にでも、いつども何処でも、という感じで起こります。悩み事は頼みもしないのに向こうから勝手にやってきます。その様な時、お気軽に相談できる民間の機関としての役割を興信所が果たせるようになれば、と願っています。個人の安心は家庭の平和、家庭の平和は社会の平和と安全に繋がります。興信所は社会の平和の大本である個人の安心を手に入れるお手伝いをこれからも続けます。

2.興信所とは

興信所の仕事に就いて皆さん分かっていらっしゃる様で、本当のところよくご存じでない方が多いので、最初に調査業者としての「興信所」の定義のようなものについて述べておきます。「興信所」というのは、どの様な仕事をしているのかです。そして、実際の社会の場面ではどの様な活動をしているのか、についてです。

「興信所」の定義は、ひと言でいうと「他者について知る権利のある人に代わって調査し、報酬を得る事を職業にしている人物或いは組織」です。つまり「調査の代行業者」です。興信所に調査を頼まれる依頼者は個人が多く、調査対象者(調べられる人)も個人が多いのが一般的です。

又、探偵という名称で調査業を行っている業者もたくさんありますが、探偵も興信所も同じだと考えて下さい。ここでは「興信所」という表現を多用しています。それには他意はありません。あえて言うと、過去何人かのお客さんに『探偵社という名前はどうも胡散臭いイメージがする』と、お伺いしたからです。

ここで取り上げている「興信所」というのは、前記の通り個人の依頼による調査を代行している業者の事を申し上げています。企業の信用調査、保険に関する調査、物流に関する調査などを行っている調査業者と分けています。ひとまとめにして言うと「個人の信用」に関わる事柄を専門的に行っている「興信所」「探偵業者」について述べています。

[1]「興信所」の歴史
まず、「興信所」の歴史について少し書きます。
「興信所」の始まりは、明治27年にイギリスから日本に持ち込まれたのが始まりです。当初の「興信所」の仕事は、取引関係の信用情報が主な仕事でした。

信用調査を行っている内に、取引先から身内の結婚などの際の人物調査の依頼を受けるようになりました。やがて、人物調査を会社の信用調査と合わせて行うようになったのです。今日では、企業などの信用調査を行う会社と人物調査を中心に行う業者に分かれています。ここでは、人物調査を主に行っている興信所について申し上げています。

現在、日本では「企業調査」専門の調査会社は数社になっています。一方「個人信用調査」を扱っている「興信所」は、個人規模、会社組織を併せると3.000社とも5.000社とも言われています。従って、現在の「興信所」というのは、個人的な問題に関する調査を主に行っている、という事が分かります。個人の信用調査を行っている業者は「探偵社」「興信所」という名前を使っていますが、仕事の中身は同じだと考えて下さい。

[2]興信所の社会的意義
私たちは主に家族問題を始め個人的な問題を多く扱います。従いまして、社会の表に立って目立つ仕事ではありませんが、社会になくてはならない仕事だと自負しています。

家族問題及び個人的な事柄は、一般的には個人の問題として扱われます。つまり個人の悩みとか困り事は社会的な問題になりません。興信所は個人を相手にしている仕事だから社会の役に立っていないのか、というとそうではありません。

個人が抱える不安・悩みなどの対象を調査によって明らかにするという事は、問題を抱えている個人の基本的人権を擁護し、その人らしく社会と正しく関わりが持てるお手伝いをしている事になります。

個人の不安とか悩みを払拭して、社会の中でその人らしい能力を発揮できる基本的な土台の部分を支えている、ともいえます。人間、大人も子供も「安心」の状態でなければどの様なことにも正しく関われないのではないでしょうか。

個人が、不安とか悩みの対象の事実及び事実関係を調査で明らかにして、その悩みの事実(原因)が明らかになることで、どうすればいいかの問題になります。そして、悩み解消のための対策がとられます。悩みが解消するという事は、安心した状態で生活を送れることになります。個人が安心の状態であるという事は、社会も安定します。個人が安心した状況でなければ社会も安定しません。

この事から、社会を構成する最小単位の個人の安心と社会の安定の一部を陰から支える役割を興信所は担っています。従って、興信所の仕事は、個人の安心と社会の平和と福祉に貢献している。とも言えます。私達の仕事は家族問題に深く関わっていますので、家族について考えてみたいと思います。

3.家族とは

我々の仕事は、家族について大変深く関わらざるを得ないところがあります。家族に関わる仕事をしていながら家族について分からない様では、依頼者であるお客様の調べて良かった、という満足度は到底得られないのではないでしょうか。と、いう意味で家族とは何か、そして、無自覚にどの様な役割を担っているのかについて次のように考えています。

○家族の役割の定義
家族は、男女の結婚という形式を踏まえた血縁意識(疑似血縁)を土台にした夫婦と、血のつながりのある(血縁関係)子供によって成り立っています。

家族は、人間社会を支える全ての機能、代々引き継がれてきた名字、社会生活に必要な生産・消費する経済活動、人類を継承する生殖、教育などを内に包み込んでいますので、人間にとって最も古くて、普遍的な社会単位です。
家族は、経済・教育・生殖、他の家族との関わりがあって初めて成り立ちます。

この事から、家族は家の中で男女の性の違いによる役割が自然と発生します。それを遂行できるか出来ないかによって安定した家族関係であるか、そうでないのかの内容になります。

当然のことながら、家族の誰かが全体の幸せを顧みない行動を取ってみたり、当然の役割を放棄したりして無気力状態になると、家庭崩壊の原因にもなります。

以上のことから、家族の核となる夫婦についてそれぞれの役割と、夫婦共同の役割について考えてみると以下のことが分かります。

夫の役割
経済性の維持と保証
家族全体の生命身体の維持と、将来に向かっての保証のために何らかの形で働き、家族全員の生活の安定に努めなければなりません。(家族の日々の生活のため、将来も安定した生活が送れるために夫は何らかの仕事に就かなければなりません。)

家長としての役割
近隣の関わり、お付き合いの程度と方法を決めます。
(家としての価値観の決定。会費の納入、神社仏閣との付き合い方の程度など。)

家族への安心の提供
計画を立ててレクレーションに参画する。
家族の将来に向かっての教育を示唆する、等です。

一方、妻の役割は
夫・子供がくつろげるような家の中の雰囲気作りをすること。
優しくする。親切にする。協力する。育む。と、いう女性の本質を家族のために実行出来なければなりません。

夫・子供に対して、心と身体が生きるようにする。
食事面で健康に気をつける。
清潔にする。
家の中が明るくなるように率先して努める。
笑顔で夫・子供に挨拶をする。等々です。

夫婦共同の役割
精神面での共同の意味があります。「性の関係」を維持すること。
(同じ考えの基で人生を歩んでいる、というように価値観の共有です。)
子供の教育を夫婦で考え実行すること。
家の将来について一緒に考えること。

この様に家族を構成する夫婦は、社会的な見地からいわれている男女の権利とは別に、家の中では男女の自然性としての役割を担っています。それが実行できるか、出来ているかによって、家族関係は違ってくるのではないでしょうか。

4.調査種目と内容

家族について少々堅苦しい言い方をしました。次ぎに興信所はどの様な調査をするのかについて主な調査種目と項目についてお話しします。

[1]調査種目
興信所の調査の種類は様々です。ここでは、代表的なものについて説明します。まず、古くからあります、「信用調査」です。ここでは取引先の信用調査ではなく「個人の信用調査」についてです。「結婚調査」「素行調査」等が代表的です。
調査種目とそれに関する一般的な具体的調査項目について以下に書いてみます。尚、当社はカウンセリングも行っていますのでそれも書き添えました。

素行調査・・・不倫(浮気・不貞)調査=事実確認・証拠撮り・証拠収集等。
素行調査・・・行動調査=立ち寄り先及び接触人物等の事実確認。
素行調査・・・日常生活の実態把握調査=生活の実態調査。
身上調査・・・出生から家族構成、経歴など。
結婚調査・・・経歴、性格、素行、思考、交友、世評、勤務先、学歴、健康、兄弟、両親の性格、世評、職業、不動産、
結婚調査・・・経済、実家概況、その他。
所在調査・・・思い出の人、肉親捜し、行方不明者(家出人)捜しなど。
個人信用・・・経歴、現況、家庭概況、資産、素行、世評、経済、その他。
雇用調査・・・本人経歴、過去の勤務状態、健康、世評、人柄、その他。
証拠収集・・・対人・対価などにおける権利保全。民事・刑事裁判上の証拠収集。
証拠収集・・・反証・資料等々。
特殊調査・・・特許権侵害、登録商標違反、事業上のトラブル等。
刑事事件・・・詐欺、横領、背任、秘密漏洩、盗難、その他。
各種情報・・・借入金調査、各種番号調査、鑑定等々。
盗聴・盗撮機器発見調査・・・ご家庭・職場・車内等々の漏れた情報は元に戻りません。
盗聴・盗撮機器発見調査・・・日頃からセキュリティ管理をおすすめします。
カウンセリング及び
コンサルタント・・・夫婦・親子等家族のトラブル解消方法。人間関係を始め各
コンサルタント・・・種心の悩み解消のアドバイス。ものの考え方の整理方法。
コンサルタント・・・各種交渉の方法等々。

[2]調査内容について
調査内容というのはどういう項目を調べるのかになります。我々が行う調査方法は、取材と尾行と見張りが主です。取材を主とする調査種目の代表が身上調査とか結婚調査です。尾行と見張りを調査の手法にするのが狭義の意味での素行調査です。この二つの調査は、異質の調査手法です。

取材が得意な人が尾行と見張りも得意かというと、そうではありません。その逆も同じです。二つの調査手法は、性質が違います。ここでは、調査手法の違う代表的な素行調査と身上調査とか結婚調査について説明します。

取材を主な調査手法とする身上・結婚調査は説明の必要がないくらい広く知れ渡っています。主な目的は、結婚後の家庭生活がつつがなく送れるかどうかを前もって予測するために行われる調査です。結婚を予定されている方の90%以上が恋愛結婚されるので、今更調べる必要もないのでは、と思われるでしょうが、恋愛期間がいくら長くても恋愛中の2人はその間、お互いの好む事を中心にその恋愛期間を過ごしてこられたのです。

しかし、いざ結婚となると、結婚したその日から現実の生活が一義的になります。恋愛中の様に2人の事だけを考えて日々の生活を楽しんでいればいいというわけにはいきません。

結婚と同時に、夫婦は同じ名字を名乗ります。そして、何処どこの誰々というように社会に公表(役所に届け出るという意味)され認知されます。2人は共同体という枠の中で生活するようになります。つまり、新しい家族が生まれます。

この家族にはやがて自然性として子供さんが生まれるでしょう。家族が増えます。この家族は同じ家の中で生活するのですが、家族の生活する家の中には、この様な生活をすべし、というように「法律」などで決められたものは何もありません。

同じ家の中で生活する家族の気持ちを中心にした家庭生活が営まれます。家族が生活する家庭という生活空間は、法律も社会的秩序も介入しないところです。家族の気持ちを中心にして生活は行われます。

家族の気持ちで成り立っている家庭生活というのは、休みの日にお昼まで寝ていても、一日中パジャマで過ごしていても、何を食べようがどの様な事をしようが家族の人がよし、とすれば何も問題はありません。

しかし、家族の中心をなす夫婦の一方が、その配偶者の家庭内での言動というか、好みとかしぐさなどに違和感を覚える場合があります。このちょっとした違和感が、気持ちを中心にして成り立っている家庭生活では月日の経過と共に大変なストレスとかプレッシャーとして一方の配偶者は感受するケースがあります。何気ない相手の言動を容認できない、という風にです。これは、恋愛中は絶対に見られない事です。

恋愛中に見られなかった配偶者の家庭生活での言動に一方の配偶者が耐えられない場合、或いは、結婚生活という現実の生活に無気力な事に気づいた場合、お互いをいたわり合うとか愛情の向かう方向が配偶者から離れる場合があります。そして、違和感を抱いたままの結婚生活は、愛すべき配偶者との間に距離感が発生します。更に時間の経過と共に夫婦生活はこれ以上続けられない。等々となって、その夫婦は価値観の共有が出来ない事に気付きます。つまり、夫婦は合わない、となります。

結婚調査は、新たな家庭を築いた場合の、家庭生活という私的空間での価値観が共有できるかどうかを前もって知るための調査です。家の外(社会)での価値観と、家庭生活の価値観は違います。家の外の社会はルール・秩序・規範というみんなに共通する約束事で成り立っています。

一方、家庭は家族の気持ちを中心とした価値観で成り立っています。恋愛中は良かったが結婚後はどうも?とか結婚後すぐに離婚したというのは、家庭生活をどの様に送るかを中心にした価値観の相違に気付かなかったのが原因です。

色々な面に於いて多様化の時代です。その様な時代ですので個人の価値観が尊重されます。その価値観を共有できるパートナーに巡り会えればいいのですが、外の世界でのお付き合いと家の中での生活は全く違いますので、家の中で共同生活を共有できるかどうかを、ご依頼者に代わって調査するのが身上調査・結婚調査といわれるものです。

身上調査・結婚調査等と呼ばれている前記の項目を調査した結果を「プロファイリング」すれば、お相手の人となりの人物像が恋愛中でも分かります。もちろん結婚後の生活もおおよそ推測できます。

次に、素行調査です。
この素行調査は、ある人物の行動の実態を知りたい、という場合にご利用いただいています。行動の実態、と言っても抽象的です。
どの様な時に利用されているかと申しますと、よくお聞きになっていると思いますが、不倫・浮気という男女の不適切な交際について事実関係を調べる時に多くご利用頂いています。

或いは、子供さんの生活の実態が今ひとつ分からないところがあるのでそれを知りたい。と、いうものから、ある社員の行動が何かおかしい。仕事時間中にプライベートなことを行っているのではないだろうか。或いは不正なことをしてないだろうか。と、いうような場合にご利用いただいています。

更に、保険金の不正請求の疑いがあるのでその事実関係の調査を始め、交友関係をお知りになりたい時などにもご利用いただいています。
これらの素行調査は、尾行と見張りによって行います。

素行調査と一口に申し上げましても男女の不適切な交際の事実関係を調査するだけではありません。多岐にわたっています。
その他、何かと分かりにくくなっている点について明らかにする、各種確認調査等々があります。

日常生活の価値観の多様化と変化のせいか、今まで思いも依らなかった不都合が日常生活の中で発生しているのが今の時代の特徴です。その様な時の不都合を抱え込まずにまず、事実の確認のために調査が必要な時代になりました。

5.興信所の利用方法

興信所に頼むのはどの様な時に頼むのがいいのでしょうか、というご質問をお受けする時が時々あります。その様な時私は、何かをお知りになりたい時とか、何事かで困った時にご相談下さい。と、とりあえずは申し上げています。そこで、もう少し具体的に書いてみますので、参考にして頂ければ幸いです。

[1]どのような時に依頼するのか。
※ あなたに解決したい(知っておきたい)問題があるとき。
※ 悩みがあるがどうして良いのか分からないとき。
※ 悩みがあるけれど、相談できる人が居ないとき。

以上は、抽象的な言い方になりますが、人の行動及びその内容が分からない時、或いは、もの事の事情・因果関係などが分からない時、というようになります。

事例を申しますと結婚を考えてお付き合いをしている人がいらっしゃる、と仮定します。しかし、今ひとつ相手のこと、ご家族のことなどが分からない。結婚してうまく行くかどうか不安に思う。しかし、直接相手に聞きづらい。もっともっと相手のことを知りたい。この様な時、私どもは全力であなたのお役に立てる様に努力します。もちろん秘密は厳守です。

又、ご主人或いは奥さんの行動に不審な点が伺える。以前よりも夫婦の会話が少なくなってきた。家の中にいても何となく上の空である。メールを隠れてしているようだ。等々の時に調査が役立ちます。

ここでは、結婚調査と不倫調査の単純な動機について取り上げましたが、他の調査の動機も同じです。調査を行おうと思った動機は、不安に思う事柄があって、解消したいと思っているから、です。

[2]では、なぜ調べるのかです。
なぜ調べるのかについては、こういう状況になると誰でも調べる、という決まったパターンの様なものはありません。人それぞれものの考え方とか、これで良しとする価値観などは違います。分からない事とか何事かで悩んでいても調べようと思う人もあれば放置する人もあります。

色々な価値観がある中で調べてみたいと思う人は、対象(相手)等の実体(実態)を分かって不安を解消したい、という思いから調査は行われます。自分と関わりのある誰か、或いは何事かについて分からない場合、だれでも不安になります。調査は不安を解消するためのひとつの手段です。

人は誰でも、自分と関係のある対象の実体が分からないと不安になります。自分の方は対象との関係を良好な関係でいたいと思って、いろいろと働きかけても、対象の事(考えとか行動、物の動きなど。)が分からないとどのくらいの距離で接すればいいのか分からなくなります。

そこで、対象との関係を適正な状態に保つには、適度な距離が必要になります。調査をすることで対象の態度、行動を通して考えなども推測できます。それによって、ご自分と対象との関係の距離がはかれるようになります。

調査の目的は、分からないという不安を解消して分かって安心という、安心を獲得するひとつの手段です。

人間は誰であっても分からないということが最大の不安になるからです。分かることで次にどうすればいいのかの問題点がハッキリします。

分からないままですと、頭の中で悶々とした思考の繰り返しになります。そうすると、頭の中だけは活発に動き、時計の振り子の様にあれやこれやと考えるのですが、実際の行動になかなか結びつきません。

思考と現実の行動に距離が発生して孤独感がヒタヒタと押し寄せてきます。よくいわれる、頭では分かっているが行動が伴わないという様に、です。考えている事と行動が一致しないとどの様な事も解決できません。それどころか、考え続ける様になり結論が出ないのです。出ても時計の振り子の様に揺れ動きます。そうなると、ご自分の周りに冷たい空気が流れているような感覚すら覚えるようになります。

人間は、孤独・孤立の状態、つまり独りぼっちでは生きていけないのは万人が認めています。これらの孤立を防止し、社会との関係をより善くして自分らしく生きるために調査とカウンセリングは現代社会では必要不可欠ではないでしょうか。

先にも申し上げましたが調べたい、という動機は人それぞれです。共通する事は「分からない」という「不安」の状態から開放されて「安心」して暮らしたい。と、いう思いからではないでしょうか。調査で対象(相手)の行動を始め色々な事柄が分かります。そこから不安とか気がかりに思っている事柄の実体(実態)が分かってきます。そして、悩み(問題点)の解決方法も分かります。調査の価値は、安心を手に入れる方法が分かることです。

ご自身と直接関係があって避けられない「困り事・悩み事」をそのままにしておくと、問題解決はできないのではないでしょうか。問題を放置した場合、時間の経過と共に、悩みそのものを心の眼でジーッと見続けるようになるのではないでしょうか。そして、とらわれの状態になる場合が多いようです。

心と身体のバランスが崩れると、日常出来ていた仕事とか家事の実務能力が低下します。暇があると考え込む、という状態にもなる様です。単なる悩みであった事柄が、自分に押し寄せてくる「不安」材料に変わり、孤立の原因になります。調査は、自分らしく生きるための不安解消のひとつの手段でもあります。

何故調べるのかについて抽象的に申し上げますと、「自分と直接関わりのある対象(人も物も含む)の何ごとかについて分からない時、その分からないことを放置できない、と実感された時です。」つまり、不安なままで生活できないから、です。

分からないことについて、分かっていくことは避けられない、という心の仕組みがありますので、調査をして事実を分かって、安心に変える。と、いう心の働きが調査の大きな動機になります。分かって安心です。この安心は、生きるために誰でもが求める究極の欲求である、ともいえます。分からないという不安を安心に変えるのが調査です。

6.調査のメリット、デメリット

[1]調査のメリット
調査のメリットはまず、相手がどの様な考えの基に何処で誰とどの様なことをしているのか。或いは、相手から聞いていることに矛盾を感じるところがあるが本当はどうなのか、などについて調べることで事実及び事実関係が分かります。事実が分かれば、判断の資料になります。

調査を依頼された方がよくおっしゃる言葉ですが、これでスッキリしました。と、いうようにおっしゃいます。問題解決の糸口が調査で分かった、ということではないでしょうか。更に、これからどうすればいいかの解決策も自然に分かってきます。今までの悩みが晴れる、ということでもあります。

手前味噌で恐縮ですが、調査をされた方から色々とお礼の電話とか手紙を頂きます。それを紹介することで、調査のメリットをご理解頂ければ、と思いますので、幾つか頂いたお礼の言葉を紹介します。(個人が特定出来ない様個人情報に関わるところは変えています。)

お礼の事例
当時、考えることはマイナスのことばかりでした。
起こってもいない不都合な事が起こるのでは?いや起こるに決まっている。
と、いうように考え続ける毎日でした。思いあまって、お宅にいろいろ相談しました。相談の時のアドバイスが心にしみました。

今起こっている問題は問題として、不都合な点をハッキリさせて、それを解決するために行動を起こす。と、いうように身近な問題をひとつずつ解決することで、気持ちの整理もでき、最終的に何をどの様にすればいいのかのヒントも生まれる。そして、それがハッキリすれば、悩みも解決できる。と、いうように何度も相談して教えてもらい、そのように少しずつ実行しました。結果、頭の中であれこれ考えるよりも、不審な事をハッキリさせる為には行動に移す事だ、と考えられるようになりました。

その事は最初から頭では分かっていたのですが、気持ち的に納得していなかったようです。特に、主人の不倫という事と、そこから派生する問題を分けて考える、ということがなかなか理解できませんでした。しかし、解決すべき問題を身近なことから考えていった結果、そのことが自然に分かるようになりました。

一時は自殺をしようかと考え続ける毎日でしたが、相談に乗って頂いたおかげでそのような気持ちも吹っ切れました。今となっては恥ずかしい思いがします。就学前の子供が2人いますので、これから心機一転がんばります。有り難うございました。(ご主人の不倫調査と解決策の相談をされた方からのお礼)

他に、夫の不倫で悩んでいたのですが、教えてもらったとおりのことを実行したら、嘘みたいにうまくいった、これほど効き目があるとは思いませんでした。会社の人に相談されたら教えてあげようと思っています。有り難うございました。

主人のメールを見て不倫を知ったものの、気が動転していてどうすればいいか分かりませんでした。子供が2人いますので離婚は考えませんでした。そして、井上さんに相談しました。まず、事実関係を把握するため調査を頼みました。その後は、井上さんの指導の下、主人と女の手を切らせるように働きかけました。

あれから7ヶ月が経ち、時間がかかりましたがやっと解決しました。調停で、主人の不倫相手から今年の初めに100万円の慰謝料をいただき、2度と主人と会わない約束も取り付けたことはお知らせしました。
主人との間にわだかまりもありましたが、教えていただいたとおり合意書を作成して、昨日、公証役場で確定日付印を押していただきました。これも井上さんのお陰です。

いろいろご指導いただいた中でも大変有り難かったのは、一つひとつの事を実行する際の、私の心構えとか気持ちの持ち方のアドバイスをいただいたことに大変心強く感じました。そのお陰で自信を持って問題解決に取り組めた気がします。さすが探偵カウンセラーを名乗る調査会社だと思いました。

お陰様で、主人の不倫問題は、私の中で一区切りを付けました。これからもますますお元気で悩みをかかえていらっしゃる方を助けて上げてください。
                          
26歳の女性の母親からの調査依頼の主旨と調査結果についてです。
娘は同じ職場の男性と交際を始めて6ヶ月になる。娘はその男性の子供を妊娠した様だ。娘の妊娠を知った男性、娘が産婦人科に行く時にも付き添い優しかった。全く信じていた。

そうこうする内に娘のお腹が大きくなり始めたので娘は会社を辞めることにした。そうすると、交際相手の男性も、このまま勤めていたのでは生まれてくる子供を養っていくだけの給料が望めないので転職するといい出した。

娘のお腹の赤ちゃんは4ヶ月〜5ヶ月になった。男性とこれから先の色々なことについて話し合わなければいけないと思って携帯で連絡を取ろうとしたがなかなか繋がらない時が度々あった。連絡が取れて、会う約束をしても当日になると色々と理由を付けてドタキャンになった。

お腹の赤ちゃんは毎日大きくなる上、父親になる男性と話し合えない日が続いき、日増しに不安がつのる状態になったので、何とか男性と会って今後の事について話し合いたいので住所を調べて欲しい、という依頼の基に相談者の娘さんの交際相手男性の住所を調べたのでした。

調査の結果、これまでの男性の言動から、男性はこの付近に住んでいるだろうと思っていたところから遙か離れたところ、隣県に建つマンションに住んでいることが分かったのでした。

男性が住むマンションの部屋が分かったその日の内に、依頼者である母親と当該女性と身内の人の3人は、交際相手の男性が住む部屋を訪問したのでした。

その部屋には男性とその妻、そして、1歳位の赤ちゃんが暮らす家庭だったのです。女性のお腹の中の子供の父親には家族があったのでした。欺されていたのです。その事について男性は認めたのです。

男性に責任の取り方を問うたのですが、男性は声にならない声でただ謝るのみだったのです。男性からこの問題の解決案などは一切なかったのです。ならば、女性の方から男性に要求すべき事柄を要求すべきだとアドバイスしたのでした。そして、要求すべき事柄の細部を文書にして男性と交渉することになったのでした。結果、女性側の大部分の要求は叶ったようでした。

この事例に類する案件は沢山あります。恋愛関係になった相手の住所も何も分からず携帯電話の番号とメールアドレスだけを知っておれば連絡が取れるので余計なことは聞かない。或いは、聞く事を知らない人が大変多いのです。

言葉は嘘をつくが行動は嘘をつけない。男の嘘の言葉に酔っていたいと思っている間は、幸せは背を向け続ける、という言葉を象徴する事例でもありました。
この様に人生を左右するケースにも調査は大変役立ちます。

[2]調査のデメリット
調査をすればいい事ばかりある様に書きました。では、調査をした為に何か不都合はないのか、という問題についてです。この点については、調査のデメリットというよりも解決しなければならない問題があるのに何もしなかった場合どうなるか、ということが問題の様に考えます。

問題が発生しているのに事実確認の調査も何もせずに放置しておいた場合はどうなるでしょうか。我々の行う調査は、ご依頼者の何ごとかについて分からない、という「不安」であり「悩み」の問題点を突き止める事でもあります。

この「不安」とか「悩み」をそのままにしておきますと、更に悩みが深刻になります。何故かと申しますと、先にも書きましたが頭の中であれこれと考えている時間が長くなります。それを続けますと、マイナスのことばかり考えるようになります。そして、独りぼっちであるかのような孤立感がひたひたと押し寄せてきます。

人間の孤立は人間関係と社会からの孤立のふたつです。
社会からの孤立は更に深刻になって、生きられないという思いがひたひたと押し寄せてきます。ここに、分からないことは放置できない、という仕組みのようなものがあります。

興信所が行う調査は、人の行動の内容背景などを依頼者に代わって調べるのが主です。依頼者と調べられる人の関係は非常に密接な関係にあります。つまり、家族が家族及び身内のことについて調べる事が多いのです。家族関係がうまく行ってない時の調査、家族が安心できるための調査は迷わずに行うべきです。
不安状態にあるにもかかわらず、不安の原因の事実確認をしなかった場合、どの様になるかです。これも事例を通して説明したいと思います。

ある中年ご夫婦からのご相談と調査依頼でした。
結婚前に調べておけば良かったのに。
長男は大学の時に知り合った女性と交際を重ね、半年ほど前に「できちゃった婚」をした。嫁の実家は関東圏だが息子の仕事の関係で新婚生活は関西圏に決まった。

しかし嫁は、息子と一緒に暮らそうとせず何かと理由を付けて実家に帰ってしまう。後になって分かったことだが、嫁の育った家庭は、家族関係がめちゃくちゃに壊れていたことが分かった。

新婚家庭を自分たちの力で築く、ということが出来ない。穏やかな家庭のイメージが浮かばないのだろうか。ただ、大人しいだけの嫁である。家事を始め人間関係が苦手な様だ。息子が結婚する前に嫁と一度外で会ったが、見た目と家庭に入った場合とこれほど違うとは思わなかった。

息子は、嫁に逆らうとケンカになるのでなるべく小言は言わない様にしている様だ。結婚前に調べておけば良かったのに、今更という気もするが、改善すべき点が分かるかも知れないので調べてもらいたい。

この件は、お嫁さんの責任でないにしても、暴力とヒステリックな空気が日常的に流れている家庭の中で育ったことが分かりました。安心を得られる言葉とか、自分と他者との関係から安心を得る方法が分からないまま、初めての事柄にたいして緊張するという性格を引きずったまま結婚生活に入った結果、家庭生活をどの様にすればいいのか分からなくなって、馴染みのある過去の生活環境の実家に安住の場所を求めたのでした。

7.興信所の実態と問題点

[1]興信所の実態
興信所などの調査業に従事する者は、平成19年6月に施行された「探偵業の業務の適正化に関する法律」いわゆる「探偵業法」の下で営業する様になりました。それまでは何の決まりもなく、興信所を始めようと思えばいつでも誰でも開業できたのでした。なんの資格も届け出も必要なかったのです。

その結果色々な人が、色々な名前で興信所などの調査業を始める様になりました。個人情報と深く関わる仕事ですが、これといった理論も見識も技術も経験もない人たちが参加できたのです。始めたいと思えば誰でも興信所の仕事を始められたのです。

それらの人たちは、仕事の能力が無いものですからどうしてもお金儲けに走る様になったのです。みよう見まねで得た仕事のノウハウを基に、ありとあらゆる言葉で依頼者の困っているという気持ちにつけ込み、放置すると困り事が拡大して大変なことになるかの如き不安をあおって、仕事を取っていたのです。その様な業者の大半は、お金儲け主義なので依頼者に調査の前金を要求するか、なにがしかの理由を付けて調査開始前に金銭を要求していたのでした。

前金を頂いて調査を引き受けたものの、調査結果の報告は杜撰どころか調査をしたとは到底思えない嘘の報告が多かったのです。依頼者から何らかの問い合わせがあった場合、調査の不備な点を突かれると、調査が思う様に行かない(いかなかった。)のは他者の責任であるかの如き弁解ばかり繰り返していたのです。

これらの業者は、依頼者の困り事、悩み事というプライバシーを握っているので、被害は口外されないだろう、という思いがあって行われてきたのでした。

私の知る限り、というよりも私のところに寄せられた過去の記録に残っている興信所への苦情は、前金で調査料金を頂いておきながらいい加減な仕事をしていた業者は、いわゆる大手、といわれている業者が大部分を占めていました。トラブルの大部分は契約及び契約解除に対するトラブルだったのです。

契約及び契約解除とは、お金を払ったのにいつまでたっても調査結果の報告がなく、問い合わせると「ああだ、こうだ」と言ってハッキリした返事がない。どう考えても誠実な調査が行われているとは考えられないので、依頼した調査の中止を興信所に申し入れて先払いしたお金の返還を求めることをいいます。

調査料金の先払いを請求されるままに支払った。しかし、依頼した調査案件の結果報告はいくら待っても届かない。どうなっているのかと問い合わせると、何だかんだと言って要領の得ない返事ばかりなので、調査の打ち切りと先払いした調査料金の返金を迫った。しかし、残念ながらお金は返ってこなかった。これでは、プライバシーを担保にお金を取られたのと同じだ。と、いう苦情が全国から寄せられる様になったのです。

そこで消費者保護と健全な業者育成の目的で前記の通り「探偵業法」が平成19年6月に施行されたのでした。この法律によって興信所などの調査業者は都道府県の公安委員会に届けなければ営業できないことになりました。届け出た業者は、届け出番号が与えられます。

「探偵業法」の主な骨子は、[1]公安委員会に届出なければ探偵業務を行えない。[2]個人情報の保護の徹底。[3]プライバシーの厳守及び守秘義務。[4]探偵業務の範囲について。[5]調査料金の事前説明。[6]収集した個人情報の取り扱い方法。[7]調査結果の報告の方法[8]契約解除に関する説明。[9]個人情報の資料の処分に関して。[10]依頼された調査をどの様な体制(調査員の数など)で行うのか。これらを依頼者に説明した後、了解を得て契約を結ぶ、というのが依頼者と業者に関する「探偵業法」のあらましです。これとは別に業者側が守らなければならないこと実行しなければならないことは他に沢山あります。

「探偵業法」の基で営業する様になった興信所などの調査業者は、法律が出来る前と変わったのか、です。目に見えて変わった点は、業者が出していたNTT発行のタウンページ広告が減った事です。これは、虚偽の広告が出せなくなったのです。例えば、ある都市に調査会社の事務所がないのにかかわらず、その都市にある様な書き方は出来なくなったことと、届け出が必要になったためです。

「探偵業法」が施行されて、大手といわれている業者の広告が減ったためか、業者への苦情も減ったようです。この事から如何に大手の業者といわれている業者が、一時的に社会的弱者の立場に置かれた人からロクな仕事もしないでお金を要求していたかが分かります。

しかし、法律が出来た今もまだまだ依頼者のプライバシーにつけ込んでいい加減な調査能力と出鱈目な価値観で不安をあおってお金を手にしている業者もあるようです。現にこの原稿を書いている今も次の様な相談を頂いたのでした。「不倫調査をある業者に依頼した。200万円を先払いしたが、とても調査を行っているとは思えない応対で悩んでいる。どうすればいいのか。」

「探偵業法」が施行されて今までの様な悪質な業者は減りつつありますが、完全になくなったとは言えません。調査を依頼される方のために、これまでの悪質業者の事例を少し書いてみます。この事例は、調査された方、これから調査を頼もうかとお考えになった方から私の基に寄せられた情報です。

[2]悪質業者の事例
素行調査に関して
主人の素行調査(不倫の事実確認)を依頼した。
約3ヶ月費やしたが、不倫の事実関係を証明できる報告はなかった。
喫茶店でお茶を飲んでいる写真と、ある日の主人の行動が記録された報告書だけもらった。3ヶ月間の内、実際に調査した日は数日のようであった。お茶を飲んだ後、どうなったかの報告はない。

頼みもしないのに主人のサラ金からの借入状況を調べて、これも調査した、という。相手の女(主人の不倫相手)は、主人以外の男と交際しているといって、その女の弟と女が一緒にいる写真を見せた。調査がデタラメだと言うと、あれこれ言い訳する。挙げ句の果て、後2日調査をしてみるという。その料金は2日で70万円だと言った。

これまでに300万円支払っている。その結果が何も出ていないのに、後70万円支払えば2日調査する、という。2日調査した結果は責任を持てない。と、言われて泣くに泣けない。弁護士に相談したところ、あんな詐欺みたいなところに頼むからだ、と言われる始末。

余りにも調査の結果報告が遅いので、電話を入れると「担当者がいない」とか「手を離せない」などと言って、かなりの期間をおかれたので調査依頼から3ヶ月を経過したのだった。その間、主人に浮気の相手について問いただしたところ、浮気を認めた。その事を調査会社に言うと、そんな事実は無かった、の一点張りであった。

結果として300万円払ったのに、なんの(有意義な)調査もできていない。調査を依頼していた期間、主人は“浮気をしていた”と認めたのに、である。
現在、ノイローゼになっている。
300万円もの大金をはたいて調査依頼したにもかかわらず、これと言った調査もせず、どうでもよい事をいかにも調査したように見当違いの報告をしてきた事。更に、家族関係が悪化の一途にある事。

お金の問題、夫婦の問題、家族関係の問題、将来の問題、これらは主人の浮気を確かめて、話し合って改善しようと思って調査を頼んだ。しかし、いい加減な調査の結果、すべてが悪化し悩みが更に深刻化した。

現在、仕事(パート)も手につかない上、夫婦関係も悪化した。この責任は、調査依頼を引き受けた業者が取ってくれるのか。世の中にこんな会社があるとは信じられない。応対した女性は口が上手く、不安をあおってお金を出させていた事に後になって気付いた。タウンページ広告を見て騙された。残念でならない。

この件の教訓は
調査業者は、調査は依頼者の将来に大きな影響を及ぼす事もある、という事を肝に銘じて、引き受けた仕事に責任を持ってあたらなければならないのです。
決して、人の不安、悩みをタネに、相談の電話を掛けてきた人の不安を更にあおって、お金を稼ぐようになってはいけません。
刑法に引っかからなければ何をしてもいいのだ、という考えは捨て去らなければこの業界は社会から見放されてしまうでしょう。

人の不安・悩み解消の手伝いをして感謝され、そして報酬を得るのだ、という本来の知的精神性を要求される職業にあるにもかかわらず、不安な相談者の心につけ込み、不安をあおり、言葉巧みに契約させ、不当な金額を請求する手口は、もはや職業ではない。弱みにつけ込んだ脅迫と詐欺を働いている業者といえる。

脅迫と詐欺まがいの事例を紹介します。
ある医療関係の仕事に従事されているご主人の奥さんからの情報でした。
ある日、主人の風俗遊びをタネに、これを許しておくと大変なことになりますよ。と、いうように、ありとあらゆる不安をあおり、調査を薦める電話が入った。

後で分かったことだが、主人の方には、私(=妻)が不倫をしているのでは、という情報を入れて調査をさせていた。
その結果、夫婦はお互いに疑心暗鬼に陥り、別居した。しかし、夫婦でよく考えてみると、これといった別居の原因を夫婦で確認したわけでもなく、人の言うことを聞いてお互いが不信感を抱いていたのであった、という事に気付いた。

結果、はめられて夫婦関係が壊された、という事に気が付いた。
その事を調査業者に言いたい。しかし、これまでのいきさつから何をされるか分からないので怖いと思って言えないでいる。どうすればいいのか。
主人は大学病院に勤務する医者である。その調査業者は、医者など社会的に信用ある人のところにダイレクトメールを送って調査の勧誘を行っている。

※平和な家庭に火種を作り、あおって大火にして家庭生活の基本の夫婦関係を破壊している悪質な業者である。

[3]杜撰な素行調査への怒り
不倫の証拠撮りの調査を依頼したが、出来上がってきた報告書は、男女がお茶を飲んでいる姿とか一緒に歩いている写真だけであった。これを不倫の証拠だと認識するのに無理があることは素人でも分かる。プロの業者が、不倫の認識も出来ないのか?あそこ素人。もう頼まない。

不倫相手と別れさせてやる、といってお金だけ取られたケース。
夫の不倫で悩んでいたのである大手の調査会社に電話してみた。言葉巧みにご主人の素行調査をして、相手の女性と別れさせてあげる。方法は、うちの社員にヤクザまがいの人がいるので、その人を連れて相手の女性と交渉する。間違いなく上手くいく。そして、380万円を支払った。しかし、別れた様子はないので説明を求めると、相手が手強い、それには綿密な準備が必要である。後、300万円出せばうまくできる、といった。

素行調査で不倫の証拠も撮れてないまま、後300万円の追加料金を要求されて困っている。問題解決のためにお願いしたのに、新たな問題が発生した。この先どの様にすればいいのか。

教訓
調査をまともに行ってないのを棚に上げて、更に期待を持たせながら不安をあおる手法である。これは、この会社の常套手段である。依頼者をさらなる不安に陥れ、家族関係及び個人としての自立の妨げを行っている社会悪である。

身上・結婚調査の苦情
子供が結婚したいというので、ある大手といわれる調査会社に依頼した。調査先は、300kmほど離れた県外だった。調査費用は50万円で先払いといわれて払った。数週間後に報告書を受け取ってビックリした。これが調査かと思うくらい中身の無いものだった。プライベートなことを依頼したので公になるのは差し控えたいので泣き寝入りした。調査って、この程度なのでしょうか。

次も、前記の会社が行った結婚調査の苦情です。
30万円支払ったけれど、報告書は、戸籍謄本みたいなものをコピーして貼り付けてあっただけの物だった。人物に関する内容について知りたくて依頼したのにこれでは何が何だか分からない。二度とあそこには頼まない。

※調査能力のない業者が、言葉巧みに調査する様に依頼者に迫った結果です。
 会社の大きいとか小さいというのは調査能力と全く無関係です。

大手の行っていた素行調査の実態とは?
これは、ある調査を私の会社に依頼された方から頂いた、お引き受けした調査とは別の話です。

ある時、車を運転していると自分が尾行されているに気がついた。たまたま道路沿いにあった警察署に尾行車輌を届けた。警察はその尾行車を見つけて停止させようとした、がその車は逃走した。警察は相手が逃げたのでパトカーで追跡した。すると、相手は車を乗り捨てて走って逃げた。しかし、すぐに捕まった。結果、私が不倫相手として尾行されていたことが分かった。あんな馬鹿みたいな張り込みと尾行では誰でも分かる。

ご紹介した悪質業者の事例は、お客さんから私のところに寄せられた業者への苦情のほんの一部です。これらから分かることは、調査能力の欠落はもちろんのこと、調査とは何かを全く認識できてない業者が多い様に思います。

調査料金の前払いを要求しておきながらロクでもない報告しかできない興信所は、調査能力も何もない、他人の不幸を飯の種にする社会悪の業者ではないでしょうか。

これらの業者を排除するために、消費者保護の目的で「探偵業法」が成立したのでした。しかし、法律が出来た後も、悪質な業者は以前の習慣が抜けないのか、悪評は少なくなったものの相変わらず存在するようです。

8.興信所の問題点

人様のプライバシーに深く関わる仕事に就いていながら仕事の意味とその影響を曖昧にしか理解できてない興信所が多いのではないでしょうか。つまり、アマチュアが多いのが問題ではないでしょうか。

探偵業法という法律の基で興信所は営業を行う様になりました。これは、調査業を行う者は都道府県の公安委員会に届けて始めて営業が出来るというものです。法律は、個々の興信所の調査能力まで関知しません。公安委員会に届けるだけで開業できる興信所です。調査能力とか一般常識、更に仕事を行う上での知識、見識といったものは全く問われないのです。

従いまして、調査を依頼される際の業者選びは、依頼者の個人的判断に委ねられているのが現状です。では、興信所選びの基準の様なものはないのか、というとあります。業者の良し悪しを予め判断する方法があるのです。それは、調査料金の支払い方法です。

悪質な業者に引っかからないための第一は、通常の調査である素行調査とか身上調査・結婚調査などの調査料金の金額先払いを求める業者には依頼しない事です。全額後払いの業者に依頼するべきです。半分前金或いは内金を要求する業者も感心しません。調査を引き受ける側の興信所は、依頼者であるお客さんの個人情報を調査依頼に際してお聞きする訳です。この時点で、依頼者の家族関係とかその他の情報を手にします。

そして、契約書を交わしますので、依頼者側の情報は興信所に伝わっています。その上、前金とか半額或いは内金を先払いする契約には矛盾を感じます。契約を交わした時点で、依頼者の大まかな個人情報などについて興信所に分かっている状態になります。

調査結果の報告書という依頼者が知りたい情報というサービスを手にしていないのに、どういう形であれ、お金を担保として興信所に預けるのは、箱に入った中身の分からない物を相手の言葉を信用して買うのと同じです。興信所が社会一般から信用されているのならそれもいいでしょう。しかし、現実は色々な興信所が存在するのも現実です。

どの様な理由でどの様な調査をお願いします。それには何日調査をして、いくらの調査料金が発生します。その事に双方が納得しました。と、いう様な契約書を交わした上での調査依頼であり、それを引き受ける興信所です。万一、興信所の言い分として、依頼者が信用できないので調査前に何らかの名目でお金を要求して保全を図る、というのであれば、依頼者と依頼内容を見極める能力のない者が興信所を営んでいる、という事になるのではないでしょうか。調査を依頼するお客さんの立場が弱いかの様な印象のある、興信所の情報サービスの前払いは中止すべきです。これが、トラブル防止の一番の策です。

度々申し上げますが、依頼者と興信所とのトラブルは、先払いによるトラブルがほとんどです。苦情の大半、というよりも私の知る限りでは全部と言っていい位、興信所とのトラブルは先払いの結果によるものです。先払いは、興信所のあらゆる能力を阻害する原因でもあります。

[1]調査能力の問題
調査能力不足の業者に依頼した結果の悲劇は先述の事例の通りです。能力不足は何故放置されているのか。この事は依頼者に大きな迷惑をかけるのと同時に、調査業者そのものが社会から認知されなくなる、相手にされなくなる、という危険性を含んでいますので早急に改善しなければならない問題だと考えます。

ほとんどの業者は、調査の技術を問題視しています。例えば、尾行の方法が優秀だとか、証拠撮りの機材を備えている等々についての話が散見されます。一見その通りの様に思われます。しかし、調査の技術と所有する機材が優秀であればその業者は一流であると解釈するのは錯誤です。

ここで考えてもらいたいのは、優秀な調査機材を使っての調査、或いは、尾行がうまいなどというのは調査全体の20%〜30%のウエートである、ということの認識不足からそういう考えがあるのだ、と考えます。どの様なことでも技術よりも優位にあるのは戦略です。この戦略、つまり受けた調査をどの様にして調査を実施し、依頼者が希望されている事実をどの様にして発見するかの戦略が描けなければ、いくら優秀な機材を備えていても、とんちんかんな調査結果を報告することになります。

調査は、戦略が大切で次ぎに戦術である。と、いうことをもっともっと理解しなければならないのではないでしょうか。この事が分からないので、表面的な結果報告がなされているのでは、と思います。よくお聞きしますが、真実の不倫相手と違う相手を、いかにもそうであるかの様に映像を添えて報告してきた。デタラメな報告であった。などは、調査技術を調査の第一義と捉えた結果ではないでしょうか。

[2]料金の問題
興信所などの調査料金を「見積もり制」というシステムで説明している興信所が沢山あるようです。興信所が依頼者に代わって行う情報収集を「見積もる」という方法で正しい料金がはじき出されるのかです。調査種目によって「見積もり制」が合理的なものもあります。しかし、尾行とか見張りを必要とする調査に「見積もる」という料金体系は合理的だといえるでしょうか。

私は、そうは考えません。興信所が行う「素行調査」は、いわゆる「狭義の意味」での「素行調査」です。依頼される内容はというと、ある奥さんからの依頼を受けて、ご主人の「不倫の事実及び事実関係」を調査して欲しい。と、いう依頼を受けた場合の「素行調査」を想定したものです。

前記のような「素行調査」は、我々の業者が依頼される「調査種目」の中でも一番多いのでは、と思えるくらい多い調査種目です。いわば、興信所の仕事の実像を現している、ともいえる「調査種目」なのです。その「調査種目」の「料金設定」が不透明な「見積もり制」が、業者への不審を招いているのは確かです。

「素行調査料金」の「見積もり制」が、依頼者の不信をなぜ招くのかについて、事例で説明します。

ある数人のお客さんからお聞きした話です。曰く、「素行調査」を依頼しようと思ってタウンページに大きく掲載されている業者に「素行調査」の「料金」を聞いた。すると、「見積もり」をすると言ってはじき出された金額を聞いて驚いた。5日前後の「素行調査」の見積もりは、100万円〜150万円だった。

金額を聞いて調査を中止された依頼者もあったのです。一方で調査を依頼された人もあったようです。私のところに、他社に依頼されたにもかかわらず、調査料金及び調査結果に不信を抱かれて電話をかけてこられたり、直接相談に来られたりされた方がある時期、3ヶ月ほどの間に5〜6人ありました。中にはある業者が報告した不倫調査の報告書をご覧になった弁護士さんが、その報告書は事実と疑わしい。矛盾を感じる。という事で私どもに調査をやり直してほしい、とおっしゃった案件もありました。

私が以前から一番不思議に思っているのは、興信所などの調査会社が行う「素行調査」に、なぜ「見積もり制」の「料金体系」を取り入れているのか、です。本来の「見積もり」とは、ある目的を達成させるための「日にち」「道具」「資料」「人員」などにかかる費用を積み重ねたものが「見積もり」です。諸経費を積み重ねられたものを前もって算出するのが「見積もり」です。

従って「見積もり」というのは、ある何事か或いは何ものかを完成させるための諸経費(人件費、材料費、日数、道具など)の累計を前もって算出するのが「見積もり」です。そして、諸経費の累計金額が「見積もり金額」です。

この定義をもとに「素行調査」の「見積もり料金」について考えてみます。そうすると、「素行調査」における「見積もり料金制」は、明らかに矛盾が生じます。それは、依頼者の知りたい調査結果が、何日調査すれば分かる、という事が予め分かっていることになります。「素行調査」を今日から何日間実行すれば、不審に思っていらっしゃるご依頼者の思いは払拭され、事実関係がハッキリします。と、いうことが調査の依頼を受けた時点で分かっていることになります。

更にいうと、誰かの不倫調査を行う場合、その誰かを「見張り」なり「尾行」などをして、その誰かの行動を把握しなければならないのは誰でも納得していただけるでしょう。そうすると、調査を行う側は、調査をされる人の行動の後を追う事になります。つまり、調査を行う人は、自分の意思では行動出来ないのです。調査をされる人の行動に併せて自分も行動し、その行動の中に、依頼者の知りたい行為が有るのか無いのかを見定めるのです。

多くの「素行調査」は、人の行動の後を追わなければならないのです。この事はご理解頂けたと思います。そうすると調査を行う人は、事前に自分の方から、何日調査すれば調査結果が出るかなどを決められない事は明かです。そのことから、いついつになれば調査をされる側の人が、依頼者の目的とされる行動(不倫を働くかの事実)を取るかどうかは、分からないのです。あくまでも依頼者が調査でお知りになりたい被調査人(調べられる人)の行動の主導は、調査される側の人物まかせになります。

このことから、何日調査をすれば、依頼者の目的に合致した結果が得られるかを予め決めるのは無理なのは誰の目にも明かです。不倫などの証拠を撮るための「素行調査料金」を「見積もり制」ではじき出すのは、何の根拠もない、業者サイドの都合のいい料金体系です。

業者サイドの都合のいい方法である、といいきれるのはこの契約方法による苦情の多いことでもご理解いただけることでしょう。調査業者は「見積もり制」の料金で契約を交わした後、「契約による収益」を第一義に考えるのか、ご依頼者の調査依頼目的は業者の意識から消え去るがごとき事案が見受けられるのは既に紹介しました。

その最たるものが、不倫相手を違えて報告する。と、いうものです。これは、調査をいい加減にしている証拠です。調査をした形を作っているだけです。この調査手法は大手の業者に見られた傾向です。個人業者もまねている傾向があります。

「素行調査の料金」は、調査員による「労働の対価による報酬」なのであるからして、調査員が、ご依頼者の目的達成のために何時間或いは何日間働いた結果の報酬である。と、いうのが本筋だと考えます。調査結果は、調査員の労働によって確認され、ご依頼者は、調査員の労働によって目的を達成できるのだ、という「素行調査」の原則を錯誤している業者が多いのは情けない限りです。

あくまでも「素行調査」の料金は、何時間或いは何日間調査してご依頼者の目的が達成できたかの「時間制料金」であるべきだと考えます。そして、そこから調査料金の前払いなんてものは発生しないのです。又、無理な契約に依る苦情もないのではないでしょうか。

「素行調査」の「時間制料金体系」では、当然のごとく調査料金は後払いになります。そして、調査結果が信用できる内容になるのも当然であるのと同時に、調査員の調査能力の向上が図れます。調査の実力がつけば、依頼者との信頼関係も築けます。依頼者とのトラブルもなくなります。

いかなる業に従事していようと、社会の構造、環境の変化は誰もが認めざるを得ないのが現実です。我々のような調査業者だけは社会の変化とは別である、とはいえません。我々の仕事は、広義の意味で言うと、困り事、悩み事のある人の手助けとなる「社会福祉」の一端だと認識し、責任と義務の自覚を絶えず行わなければならない、と考えています。

一部の業者に見られるように、「困り事」「悩み事」を抱えて「調査業者」を頼ってこられた人の「悩み」を更に拡大するような、法外な調査料金で契約をしたり、錯誤の調査報告をしたりする事は慎むべきです。これらの業者は、困っている人を更に窮地に陥れる闇金業者の本質と何ら変わりません。嘆かわしいのは、度々引き合いに出して恐縮ですが大手といわれる調査業者に多いことです。

今の社会は、人間関係も希薄になって誰にでも悩み事を相談できない状況にあります。それら悩みを抱えている人たちは、頼れる機関を探しているのです。それに応えられる一番近い位置にいるのが我々のような調査業者です。よく、何処にも相談できないので、といって悩み事を打ち明けられます。この事は人間関係が希薄で悩み多い社会を象徴しているのではないでしょうか。
調査業に関わるものは、もっと目を見開いて社会を見つめる必要があるのではないでしょうか。


[3]調査結果の価値の問題
調査結果の価値の問題というのは、調査したけれどその価値が期待したとおりだったのか無かったのかになります。この問題は先述の通り、調査業者の調査に対する認識と理解能力の問題になります。例えば「不倫」(法律用語は不貞)と「浮気」も同じだと理解している興信所が行った調査は役に立たなかった事例がありますので、この事例を反面教師の意味で書きます。

役に立たなかった不倫調査結果
この事例は私のところにある事で相談にいらっしゃった中年の男性から、余談として、実は、という感じでお聞きした話でした。

ご相談者は、団塊の世代の男性です。9年前に離婚されたそうです。離婚の原因は、奥さんの不倫でした。それが原因でご夫婦は離婚する事になったのでした。
しかし、離婚条件でご夫婦はもめたのです。裁判になり高裁までもつれたそうです。結果は、不倫を働いて離婚の原因をつくった奥さんが勝訴したのでした。ある興信所に依頼して奥さんの不倫の証拠を撮ったにもかかわらずです。(業者のいう証拠だったのです。)

相談者曰く、裁判で負けたのは弁護士が力を入れてくれなかった気もする。家裁では勝った。しかし、相手側が高裁に持っていった。高裁でも勝つものと思ってのんきに構えていた。結果、信じられないが負けてしまった。と、いうお話です。

配偶者の不倫問題を争っての裁判です。結果は、不倫を働いた方が勝ったのは、不倫の事実及び事実関係が証明できなかった、ということでした。我々流にいうと証拠が認められなかったのです。何故、不倫の証拠が認められなかったのでしょうか。その点について、相談者の男性に、奥さんの不倫の証拠というのはどの様な物があったのでしょうか、とお聞きしたのでした。

相談者の男性曰く、別居していた妻の住むマンションの建物から、不倫相手の男性と妻が一緒に出てきた写真があった。その男性は、かねてからの妻の不倫相手だったので、自分たちの思いと、男性が妻の住むマンションから妻と一緒に出てきたので不倫の証拠はこれで良いのだと思っていた。

調査を頼んだ業者の人もこれで不倫の証明ができた、証拠が撮れた、と言ってくれたので何の疑いも持たなかった。しかし、結果としては思い込みだった。不倫を証明するには役に立たず無駄な調査だった。今思うと残念で仕方がない。

この案件も調査という仕事に関わる者が、仕事上理解しておかなければならない言葉の意味を理解せずに不倫も浮気も同じように解釈した結果と自分達の方から見た結果を真実の証拠の様に報告したため依頼者に迷惑をかけた、という話です。

こういう事を繰り返していると興信所の調査という仕事そのものがデタラメだという烙印を押され、やがて社会から相手にされなくなるかもしれません。再度確認のため、不倫(法律用語では不貞という。)と浮気の違いについて次のとおり書いてみます。

[4]浮気と不倫の違いについて
「浮気」という言葉も「不倫」という言葉も、不適切な男女関係を言い表す言葉に変わりはありません。従って普段、友達同士の会話を始め世間一般に交わす話の中では「浮気」も「不倫」も区別しなくても良いと思います。その場合意味が通じればいいのです。

しかし、配偶者などの「浮気」「不倫」が原因で離婚を考えている。などと深刻な事情になった場合は、言葉の意味する範囲をシッカリ分かっておく方が問題を片づける際に非常に有利に運べます。言葉にはそれぞれの言葉の意味と内容の範囲というものがあります。

興信所を営んでいる人の中にも「浮気」と「不倫」を、意味として同列に解釈している人があるようです。男女の不適切な行為の事実及び事実関係を明らかにする事を仕事にしながら、仕事上の言葉の意味を勝手に解釈していたのでは、プロとしての仕事の結果は通用しないケースも出てきます。先ほどのケースがいい例です。それではプロを装った素人になります。

そういう意味もあって、改めて「浮気」と「不倫」の違い、言葉の持つイメージは同じでも意味が違うのである。と、いうことを「探偵業法」に基づいて仕事をする様になった今、興信所などの調査業者は「浮気」と「不倫」の違いくらいはシッカリと認識しておかなければ業界の社会化は無い、と思います。

当然のことながら言葉の意味が違えば結果も違ってきます。結果とは、何らかの請求権が発生した場合の結果です。例えば、夫が妻以外の女性と身体の関係を持っているようだ。と、妻が感じて興信所に夫の素行調査を依頼されたとしましょう。その結果、夫はスナックで働く女性とラブホテルに出入りしていた事実が分かり、その証拠が業者によって撮れたとします。

これで離婚話を有利にすすめる事が出来る。と、期待された場合、そうも行かないのです。夫が、女性との性的関係を認めて、離婚話に黙って応じる場合は問題ありません。しかし、妻の言い分に対して突っぱねる夫もいます。知らぬ、存ぜぬ、或いは、スナックの女性を口説いて1回きりの関係だったとか、相手の住所を始め詳細は知らなかった場合、妻の思い通りには行かないのが実情です。

20年も30年も前と違って今は、社会全体の知的水準もレベルアップしています。ただ単に男女の関係を持つラブホテルに出入りしただけでは、不倫の証拠として不足する場合が多くあります。前記のケースは単なる「浮気」です。

この浮気は、働いた方の夫は実行行為者として攻められるのは誰の目にも明かです。しかし、夫がそういう行為に至った家庭内の経緯を客観的に説明すれば、妻側も夫に責めを追求されるケースもある、ということを知っておいた方がいざというときは役立つようです。

不倫は不適切な男女関係を継続する事をさしています。浮気は、一時的、或いは一過性の男女の不適切な関係です。
従いまして「浮気」「不倫」の定義は以下のようになります。

浮気の定義
「配偶者との離婚を考えない、一過性の男女の不適切な関係」です。
スナックの女性を口説いて一晩ラブホテルで過ごした。2人の関係は継続性もない。相手の住所も名前も知らない。又、夫婦関係の破綻を全く考えてない。この様なケースは浮気です。

不倫の定義
「配偶者以外の特定の異性と身体の関係を継続し、離婚を内包している男女の関係」です。
つまり、1回だけの男女の関係ではなく、特定の異性と身体の関係が続いていて、精神面においては、配偶者との離婚を場合によっては考えている。と、いう関係が不倫(不貞)の関係です。

心も身体も不適切な関係を続けている相手に移っているか移りつつある。又は、何かのきっかけがあれば移る。と、いうことを含んでいるのが不倫です。不倫の行動的な証拠はラブホテルの出入りで分かった。では、内包しているというのは気持ちの問題なので証拠としてはどの様なものなのか、という問題があります。

「離婚を内包している」ということは、次のような事実を指します。
何処のご夫婦でもいきなり不倫を働いたり離婚を考えたりはしません。特に配偶者の不倫が原因で離婚うんぬんの場合、家庭での夫婦間に違和があります。例えば必要以外の会話しかしなくなったとか嘘を言うようになった。妻が作った食事を今まで通り食べなくなった。或いは、最近一番多く見られるのですが、携帯電話を肌身離さずに持ち歩くようになった、とかの事実です。

これらは、法的にいうと夫婦の協力義務に反する事柄に入ります。「内包」とは内に秘めていることですので、あるきっかけがあれば外に出ます。つまり、離婚しても良いかな?と考えていても言葉に出さなかったのですが、不倫が発覚したことで、それじゃ離婚をしましょう、というような気持ちになることを「配偶者との離婚を内包している」といいます。

これら「浮気」と「不倫」の言葉の意味を分かって、ご自分の権利を主張されるのと、ハッキリ分からないままでの主張では天と地ほどの差が出る場合もあります。

配偶者の不倫相手に慰謝料を請求した場合、すんなり支払いに応じてくれる人もあれば、ガンとして不倫の関係を認めない人があるのと同じように、話し合いがつかない場合でも、自らの主張の正しさを相手に認めさすには、浮気の証拠ではダメで不倫の証拠が必要です。

更に、不倫の証拠とは、具体的な行動に基づく客観的証拠に加え、家庭内の夫婦の有り様を客観的に説明できる家庭での事実の証拠をいいます。客観的証拠と事実の証拠があればそれなりの請求は法的に認められます。
しかし、浮気も不倫もどうせすることは一緒だから区別する必要も認識もしていない興信所が撮った証拠は問題解決の役に立たない気がします。

9.業者の見分け方はあるのか

調査を頼みたいのですが、何処に頼んでいいのか分かりません。よい興信所を探すにはどうしたらいいのでしょうか。と、いう様に興信所の業者の選び方に関するご質問をよく頂きます。これは、なかなか難しい問題です。

何故難しいのかというと、どの様な調査をするかによって業者にも得意不得意があります。更に、それを担当する調査員が得意な調査なのか不得意な調査なのかにもよります。

又、調査依頼の相談をお受けした担当者が、依頼者の調査の主旨を理解して依頼者の立場に立っての対応だったのか、或いは、仕事を取るために自社の利益の方を重要視した対応だったかにも違いがあります。

[1]見分け方は料金の支払い方法にある
業者の良し悪しの一番単純で分かりやすい見分け方は、というと調査料金の支払い方法です。調査料金が先払いなのか全額あと払いなのか、です

この項目は先に書いた事と重複しますが、大変重要な事なので書きます。
素行調査とか信用調査などの通常の調査料金の支払い方法は、全額あと払いの業者が安心できるのではないでしょうか。あと払いは、業者の責任感の表れでもあります。何割かの着手金を支払うとか半額を先払いするとかの方法も感心しません。調査料金は総額いくらなのか、そして、総額に対して何割の着手金を支払うのか、半額を支払うのかが問題です。法外な調査料金の半額を考えてみると、全額あと払いの意味をご理解頂けるでしょう。

あと払いの理由について。
(1) 調査を受ける際に契約書を交わす訳ですから、業者からみて依頼者であるお客様を信用するに足る
  情報は得られています。
(2) 調査業者が、先払いを要求する正当な理由は、見当たりません。
(3) 業者と依頼者の間で起きているトラブルは、全部と言っていいくらい、先払いしたのに調査をした形跡
  がないとか、不十分な調査報告である、というものです。あと払いならばこの様な問題は発生しません。

[2]調査料金の相場を知るには
調査料金は法律で決められているものではありません。個々の業者が勝手に設定しているのが現実です。
従って、何社か電話で調査料金をたずねてみる事です。その平均的なものを割り出してみられるとおおよその料金が分かります。

お客様に聞いた話しですが、親族関係の調査を頼みたいと思ったけれど、何処に頼んで良いのか分からなかったので、タウンページを見て片っ端から電話して、5〜6社から料金を聞いてみた。驚いた事に料金がまちまちだった。一番高い業者と一番安い業者との開きは20倍ほどだった。ビックリした。一番高い業者は、200万円で半額先払いだった。一番安い業者は、12万円で全額先払いだった。
どちらの業者も不審に思ったので2社への依頼は辞めた。と、おっしゃっていました。

この依頼者は、調査をある業者に依頼されたのでした。どういう業者が信用できるのか、の判断基準は、まず、(1)料金の全額後払いである業者。(2)業者がはじき出した調査料金がどうしてその様な調査料金になるのか、という(3)料金体系の説明に対してなるほど、と思った事。次に、(4)依頼者の依頼内容(知りたいと思っている事)を事前によく理解してくれた事。と、仰っていました。

[3]調査料金の相場は
調査料金の相場について、素行調査と信用調査を例に説明します。
素行調査の件で一番参考になって、正当だと思うのは、以前「(社)全国調査業協会」が示していた、1時間当たり1万5千円〜2万円、という素行調査の相場がありました。一応このくらいの料金が妥当だと思います。調査員2人が基準です。これよりも倍以上の料金を、或いは半額以下の料金で引き受ける業者に依頼するのは慎重を期した方が賢明ではないでしょうか。

我々の行う調査は大別して尾行及び張り込みなどの手法で行う狭義の意味での素行調査と、主に聞き込みなどの手法による信用調査とか結婚調査になります。素行調査の料金は前記の通りがおおよその基本だと思って下さい。

一方の聞き込み取材などによる調査手法の料金体系は、調査の項目によって変化はあるものの一般信用調査は20万円程度ではないでしょうか。3代まで調べる結婚調査は30万円程度。と、いうのが基本だと理解して頂ければいいでしょう。ただし、基本調査項目を超えて、調査項目が増える依頼があった場合は割り増しになるでしょう。以上の料金の説明は、料金体系を知って頂く上での基本です。ご参考になさって下さい。

尚、料金は妥当だが、前記の様な素行調査とか信用調査などの一般調査料金の先払いを要求する業者は、如何なる方法と理由があろうとも避ける方が賢明です。又、調査料金の半額先払い、手付け金なども上記の調査項目に関しては感心できません。

10.21世紀の興信所の姿とは

これまで興信所の暗部ともいうべき内部情報とか現実の実態などに触れてきました。それだけでは、単なる批判になります。ここからは、21世紀の今、色々と問題のある興信所の向かうべき方向について書いてみます。

[1]社会が望む興信所は、探偵カウンセラーが主流になります。
私は、個人のプライバシーに深く関わる仕事に就いていながら興信所などの調査業者のいい加減さについて今まで書いてきました。前金で調査料金を受け取っていながら杜撰な調査で済ませたり、違う人物を不倫相手だと偽って報告したり等の興信所を問題視してきました。もっと言うとこんな業者とは一緒にしてもらいたくない。同じように思われたくない。と、いう思いでいます。

そして、興信所などの調査業を気軽に安心してご利用頂くためには、一般から広くご意見をお聞きして、そのご意見を取り入れて仕事をする事で社会に認められ、業者と社会が一体となって相互信頼の道を築く第一歩になるのでは、と考えます。

そういう思いもあって数年間、調査の問い合わせのお電話を頂いた中からこの人に聞いてみよう、と思った人を始め調査をご利用頂いた方、更に、広くご意見を頂くため、ご意見承り専用電話を設けて興信所へのご意見を録音する、という方法で興信所にどの様なことをご希望されますかをテーマにアンケートを行いました。

その結果、
「シッカリ調べて欲しい」「全額後払いだと安心できる」「調査後の相談に乗ってくれるところに頼みたい」等々に集約されました。従いまして,社会は興信所に(1)調査能力に優れていて(2)全額後払いの(3)調査後の的確なアドバイスが出来る(4)問題解決能力のある興信所を希望されていることが分かりました。
一番多かったのは「調査後の問題解決にも力を貸してくれる業者」という結果でした。これには驚いたことに80%の人がそういう回答だったのです。一番多いのは調査料金では、と思っていたのですが暗に違わず、だったのです。

結果が分かってなるほど、と思ったのです。個人中心の社会のせいか、人間関係が希薄になっている昨今です。他人にプライバシー問題を相談しにくくなっているのはもちろん、身内・家族にも相談できない環境の中で暮らしている人も多いようです。従いましてこの結果は当然といえば当然の結果だったのではないでしょうか。

ある興信所に調査を頼まれた方がおっしゃっていた言葉が印象に残っています。その言葉とは次のよう言葉でした。
ご主人の不倫調査が終わった後、今後の対応方法について迷っていたので、依頼した興信所に対応策について参考意見をお尋ねになったそうです。

その業者から返ってきた言葉は、調査終了後の問題は関知しません。そこまで立ち入りません。後は弁護士さんにご相談されてはいかがですか。と、いう返事だったそうです。

この言葉をお聞きになった依頼者は、理屈はその通りで反論の余地はなかった。しかし、仕事上の過去の経験によるなにがしかの言葉は聞けるだろうと期待していた。しかし、それは聞けなかった。弁護士さんに頼めば、調査料金を支払った後に又、弁護士費用がかさむので何とかならないものかという思いで聞いているのに、とおりいっぺんの返事だった。

この業者に200万円も払って頼んで失敗した。と、おっしゃっていました。つまり思慮の浅い不親切な業者なのだ、と感じてそれ以上のことはお尋ねにならなかったそうです。
私が前記のことをどうしてお聞きできたかというと、調査後の対策について私のホームページをご覧になって、問い合わせてこられたから、ある業者の対応を知ったのでした。

物にもサービスにも付加価値がなければ相手にされないのが現実です。物もサービスも売りっぱなしでは、やがて社会から相手にされなくなるのではないでしょうか。我々の調査業者が調査後に何らかの対策が必要な案件に対して依頼者から相談を受ければ、依頼者の立場に立った何らかの対策、或いは解決方法をお示しするのが当たり前ではないでしょうか。一般に、何らかのサービスを、お金を払って手に入れた時、そのサービスの利用方法の説明を求めるのは自然ではないでしょうか。

興信所が行う調査という情報サービスは、個人の問題だとか特殊性があるので、と言って自分たちが提供した調査結果の報告というものに対して他者に聞け、というのはあまりにも無責任ではないでしょうか。或いは、調査結果の報告内容に責任を持つのを拒んでいるのか、又は無知なので質問に対応した答えが見いだせないかのいずれかではないでしょうか。

先の興信所が依頼者に言ったという「調査終了後の問題は関知しません。」と、いう言葉は、一見正しい様に聞こえますが、実は、その言葉の裏には「無知」という言葉が隠れている様に思ったのでした。

裁判に関する事柄とか、紛争を裁判所で決着をつけようとお考えの方なら弁護士さんにお聞きになって下さい、でいいでしょう。先の依頼者は、ご主人の不倫問題を法的解決に持ち込む方法をお聞きになったのではありません。ご主人の不倫問題を、「どうしたらいいものかなぁ」他に調査された方を参考に、という感じで調査を担当した興信所にお聞きになったのです。

興信所が調査前後に、付加価値としてのカウンセリング及び問題解決の方法を示唆する事は、仕事柄一番大切なことでこれは社会に受け入れられることだと思います。これらのことを実践していく事で社会にも興信所が認知され、やがて社会化できる業となる、と考えます。アンケートの結果もそれを物語っています。

繰り返しになりますが現在の興信所などの調査会社は、器械を扱う技術力を誇っている業者が多いのです。それらが業者として調査能力を備えているかというとそうともいえません。技術よりも上位にあるものがあることを忘れては、永遠に社会化は図れないでしょう。調べてくれるところから頼りになるところに改革すべきです。そこから全てが始まる様に考えています。

そこで、「調査後のアドバイス」、つまり、調査結果をどの様に理解し、係わっていくべきなのか。或いは距離を置くのにどの様にすればいいのか。更に、調査結果で問題点が分かった。その問題を解決するにはどの様にすればいいのか、等々の視覚化された物への対応方法を始め、問題解決に於いての気持ちの整理の方法、気持ちの持ち方等々から新たに発生する心の問題への対応方法について的確なアドバイスが求められているのはあきらかです。

この事を理解すれば興信所の付加価値は何であるのか、これからの興信所の目指すべき方向も見えてくるようです。興信所に社会が求めているのは、調査能力はもちろんですが、問題解決の能力とカウンセリングの能力だと言うことは誰でも分かります。依頼者の調査の主旨を理解できないまま調査を行った結果、その調査が生かされず、裁判などの場面で涙をのんだ依頼者もありました。

これからの興信所は、調査能力の充実を図るのはもちろん、調査後の「問題解決の能力」、更に問題点を見いだしてそれを理解できる「プロファイリングの能力」、そして、「カウンセリング」の力量等々が要求されているのです。時代の進化によって社会全体の知的レベルが上がっているのに気付かなければ、プロの調査業者として恥ずかしい限りです。

しつこく言います。「興信所」などの調査業者は「調査能力」「問題解決の能力」「カウンセリング能力」の3つの能力の有る無しが問われている、という事を業者は分かる必要があります。目先の小さな問題にとらわれず、自分たちが係わっている仕事の方向性(目的意識)を考えてみるべき時が来ているのだという事をシッカリと認識し、理解しなければならないのではないでしょうか。

時代遅れの業者の代表として、通常の素行調査(不倫調査など)、身上・結婚調査などの際の調査料金を全額前払いで要求する業者が未だあるように聞きます。この様な業者は、プライバシーに深く関わる調査業に携わってはいけないのではないでしょか。

依頼者とトラブルを発生させている大部分の業者は、調査料金の前払い制をとっている業者である事でもご理解頂けたでしょう。又、調べられる人の後ろを尾行し、或いは見張りをして行動把握をする調査に、料金を見積もります、などと言っている業者は、依頼者のプライベートを担保にして、金儲けの口実を企てているのではないか、とも思います。

或いは、見積もる、という言葉の意味を世間とかけ離れて解釈している業者ではないでしょうか。いずれにしても、調査業者も他の業者と同じように、社会と共に歩まなければならないのですからシッカリした理念のもとに業者として恥ずかしくない姿勢で仕事に励まなければならない事には変わりありません。

11.21世紀の興信所は、個人の安心と家庭の平和を考える、探偵カウンセラーになります。

これまでは興信所などの調査業の問題点を始め反省点などについて思うままに書いてきました。自らが携わっていながら業界の悪口の様なことを書いてきました。それは、このままでは興信所という仕事が社会から相手にされないのではないだろうか、というある種の危機感の様なものを感じ続けていたので,悪質といわれる興信所の実態について書いてきました。

悪口の言い放しではいけません。ここからは、これまで興信所に寄せられた苦情とアンケート結果を参考にして、これからの興信所はどうあるべきかについて書いてみます。

12.探偵カウンセラーとは?

興信所が探偵カウンセラーになるとはどういう事なのか、首をかしげられる人がほとんどだと思います。この本をご覧に頂いた方に、ご理解頂くために探偵カウンセラーとはどういうものかについて説明いたします。

[1]探偵カウンセラーとは
探偵カウンセラーの定義は次のとおりです。
探偵カウンセラーとは「調査能力、プロファイリング、カウンセリングの専門の力量を備えた問題解決型の調査業者」の事を言います。これは今までになかった新しい興信所の概念です。

この概念が生まれたのは先に書きましたが、調査をご利用頂いた方、或いはこれから調査をしてみようとお考えになっている方々から、興信所に対するご意見、ご要望をお聞きした結果、又、苦情を教訓として生まれた結果の「探偵カウンセラー」です。

最近のアンケートでもそうでしたが、興信所に問題解決能力が求められているのが分かりました。体験上からもそうでした。私が興信所を開業して間もないころ、30年程前のことです。あるご婦人の依頼により夫の素行調査を引き受けた時のことです。そして、夫の不倫の事実及び事実関係についての調査結果を報告しました。

依頼者は、調査結果に「やっぱりそうでしたか。思っていたとおりです。」と、おっしゃって調査結果に納得されたのです。私は、不倫の証拠も撮れた上、相手の身元も分かったので、ご期待に応えられて良かった。と、思って自信を持って報告書をお渡ししたのでした。しかし、依頼者はこうもおっしゃったのです。「これから私、どうしたらいいのでしょうか。」その言葉を聞いた時、私はハッとして言葉が出なかったのでした。

調査で気になっていた事はハッキリしたが、その事実に依頼者はどう向き合えばいいのか、依頼者と夫の今後の関係はどうなるのか、夫と不倫相手との関係は、子供さんとの関係は、これからご自分を含めた家族の人生は、等々について新たな悩みが依頼者の頭をよぎったのでしょう。

調査の目的は、いらざる悩みを解消して安心を獲得するためだとすると、調査結果の報告を受けただけではスッキリしない依頼者もあるという事がその時、分かったのです。調べるだけではなく、それを取り巻く悩みが解決しなければ調べて良かった、という事にはならない場合もあるのだと気付かされたのでした。

調べるだけでお終い。これでは、依頼者の立場に立って考えてみると、かえって中途半端な状況に置かれるケースもあるのです。うがった見方をすると、調べた結果新たな悩みを抱え込んでしまうことにもなりかねません。

そこで、調査結果への対応に関しても依頼者の希望に添った解決をはかるにはどうすればいいのかの相談に乗れて、解決策を見いだすお手伝いが出来なければ依頼者のご期待に応えられないことが分かったのです。

この点についても先に書きましたが、調査後の事は責任持てません。あとの事は弁護士さんに相談して下さい。我々は、プライバシーには立ち入りませんので、という、プライバシーに深く関わる調査をしておきながら対応策を聞かれると、とんちんかんな返事を正当だと思っている興信所もある様です。これらを教訓に、これからの興信所は依頼者に失望されない対応が出来なければなりません。

前記の様な返事しかできない興信所は、引き受けた調査結果の報告について自信を持てないのか、或いはもの事の処理の方法を全く知らないかのどちらかではないでしょうか。いずれにしましてもお金をもらって提供したサービスの活用の方法を説明できないのでは、プロがした仕事として役に立たないのではないでしょうか。

この件に関して調査を依頼された方のご意見は、聞いても仕方がないだろうと分かっていても聞かずにいられず聞いてしまった。むなしい気持ちになった。と、おっしゃっていました。調査で事実関係が分かっても依頼者の問題解決に役立たない調査では調べた意味がありません。この手の調査に関して、ある人にいわせると、なんだか損をした気持ちになった。ともおっしゃっていました。

色々と制約のある個人に関わる調査ですが、調べて良かった。これで助かった。と、依頼者に喜んで頂けるには21世紀の今、興信所の価値を高めるにはどの様な姿であるべきかについては先に書いた通り、「シッカリ調べて欲しい。」「料金が全額あと払いだと信頼できる。」「調査後の相談に乗ってくれるところに頼みたい。」という結果でした。

以上の事からこれからの興信所は、事実に基づいた正確な調査結果の報告が出来る様に更なる「調査能力の向上」を図ること。調査で分かった事実から真実を導き出す「プロファイリング」の技法を身につけること。(詳しい調査結果の情報を得るための技法)そして、調査後にご相談を受ければ、ご依頼者の立場に立った正当なアドバイスが出来る「カウンセリング」の能力を身につけること。

これらの事は、お客さんの方から今後の興信所のあるべき姿について提案頂いたのです。これは、単なるアンケート結果ではなく興信所に対するお客さんの要望です。又、改革の方向をお客さん、つまり社会が提案してくれているのだ、ということになります。
この事は社会から興信所を見た場合、興信所は個人の問題に深く関わる仕事なので調べるだけではなく、調べた後の事後処理の方法についても専門家でなければならない、といわれているのに均しいのです。従って21世紀の興信所は、調査と情報分析、カウンセリングの能力を備えた「探偵カウンセラー」が主流になる、という結論に至ったのです。

[2]調査能力とは
興信所に夫の不倫調査を依頼された方が、調査後に調査結果への対応策をお尋ねされたところ、依頼者が期待されていた返事がかえってこなかったことは、調査結果に至る被調査人(調べられる人)の個々の行動等についての意味が分からなかった点もあるようです。行動の結果だけを、「こうした」「こうだった」という結末だけの結果報告だけだったのではないでしょうか。つまり、被調査人の連続した行動を把握できていなかった様に思います。

言葉は嘘をつくが行動に嘘はない、という言葉の意味
人間は誰でも行動をする時は、その人自身の行動の目的と意味があります。それは、自覚して行動する場合も無意識の行動も含まれます。自覚的であろうが無自覚であろうが行動はその人の本心の表出です。そして、意味があります。その行動の意味を分かって理解できなければ、依頼者が納得する調査報告にはならないのではないでしょうか。

又、杜撰な調査が行われた結果の報告は、依頼者が何とかしたいと思っていらっしゃる案件の問題解決に役立たないでしょう。杜撰な調査結果の報告は、事実が不確かですので問題外です。杜撰な報告から真実を見つけ出そうとすると、とんでもないことを真実のように報告し間違った結論を導いてしまいます。

これらの杜撰な調査報告はよく聞くお話です。例えば不倫調査では、不倫相手を適当に探し出して事実と違う人を不倫相手だといって報告してきた。あるいは、取材力がないのをカバーするために、どのようにでも解釈できる文書が書かれたものが調査結果だといって報告をうけた。これ何、と思われる調査結果の報告は苦情としてよくお聞きします。

これらの苦情は、担当した興信所に調査能力がない結果、ご依頼者に迷惑をかけている事例です。この様な杜撰な調査報告をする興信所は調査能力を磨かなければ成りません。

[3]プロファイリングとは
行動には意味があるといいました。その行動から意味をくみ取るのも「プロファイリング」のひとつの技法です。興信所の調査は、尾行及び見張りを主とする素行調査と、取材を中心とする身上調査・結婚調査などに大きく分かれます。どちらの場合でも、被調査人に直接話を聞くことはしません。

被調査人の行動からその意味をくみ取ったり、生育歴及び学問とか仕事でどの様なことを学び身につけたのか、又はつけなかったのか、等々で被調査人のものの考え方(性格)を大まかに分かろうとする方法が「プロファイリング」です。

「プロファイリング」という言葉は、警察が犯罪の容疑者を特定するひとつの技法としてアメリカのFBIで使われていることはテレビなどを通じてよくご存じだと思います。日本の警察も積極的に「プロファイリング」の技法を研究しているようです。中には既に取り入れている警察も幾つかある様にお聞きしました。

私たちは警察ではありませんので、プロファイリングの技法を犯罪捜査に利用するわけではありません。犯罪捜査に使うでもないプロファイリングを我々のような調査業にどう生かすのか、というと、行動の目的を推測したり、人となりをより詳しく知るための方法として活用します。

ある人の行動に隠された真意を分かりたいとか、ある人と結婚したいと思うけれど結婚後の生活がうまく行くかどうか気になる時にプロファイリングの技法による分析は大変役立ちます。

プロファイリングの事例です。
人間関係の場面で、相手はどの様な人なのか分からないので困っています。何処までのお付き合いをすればいいのかそれが知りたいのです。と、問われたと仮定します。対象者が仮に転勤族の家庭で育った人だとしましょう。

転勤族といわれるご家庭は通常2〜3年で赴任先が変わる人が多いようです。
すると生まれてから人格の形成がほぼ完成される中学から高校生の頃にかけての生活環境の変化は、6回前後住所が変わることが想定されます。

小学校の高学年から中学生の頃にかけての転地は、人間形成に特に影響します。この頃は自分の力で友達作りに励んで人の気持ちや考え方を学んで自分のものの考え方の完成に近づける時期でもあります。

この時期に転勤を数回繰り返すと、その人の人間関係の関わり方は非常に表面的になります。友達付き合いも深い付き合いは避けるようになります。表面的で無難なお付き合いをするようになります。それで本人は満足しているのか、というと、決して満足してないのです。もっともっと深くお付き合いして人間関係も強いものにしたい、と思っている友達もあります。

しかし、転勤で親しくして付き合いのあった友達と別れるのがつらいので(過去に経験しているので)、付き合いはどうしても浅くなるのです。

この様な人間関係のあり様を学習してきた人は、自分の本心からの友達はできにくいのです。深く付き合うのを無意識で避ける様になります。表面上のお付き合いの友達はできます。又、人間的には何となく身勝手になります。自分のことを守りに入るのです。

1人の人間が育まれた人間的な土台が希薄になるので表面的になります。現代風なのかも知れませんが、味のない人間になります。しかし、大人になって自分のことに気付いた人は直せます。気付かなかった人は、いつまでも人間関係で欲求不満を抱えます。独善的なところが目立つ傾向になる可能性もあります。

この様にして、プロファイリングをかけることで、ある人物の基本的な人となりが分かります。それは、我々の調査に大変役立ちます。プロファイリングは、何も人物をより理解するためだけとは限りません。もの事の真実を見て行く一つの方法としても役立ちます。どの様な性格の傾向を基本にしているのかが分かる様になります。

自慢になって大変恐縮ですが、私のところで結婚調査を依頼された方の中に、どうしてあそこまで分かったのですか。所見に書かれていた言葉を信じました。その通りでした。等々のお言葉を頂くと同時に二度三度と調査をご利用頂いている方もあります。

私は、自分の経験と現在の社会環境から興信所の立場などを考えると業者はプロファイリングの技法を身に付けるべきだと強く思います。ここでいうところのプロファイリングは、経験と各種学問を合わせた学際的手法によるものですので、調査だけではなく色々な面で役に立ちます。

重ねていいます。調査結果をプロファイリングすることで被調査人の行動の意味とか大まかなものの考え方、つまり人となりがおおよそ分かります。これは、調査で分かったことをより詳しく理解する方法でもありますので、調査結果の事実に表れた真実を引き出す手法でもあります。

[4]カウンセリングとは
興信所にカウンセリングは何故必要なのかです。
興信所などが依頼を受けて行う調査は、依頼者が企業であっても団体であっても個人の場合でも調べられる人は個人になります。個人の何事かが分からないので知りたい、という調査依頼です。

調査の結果、何事かの事実が分かると同時に解決案が明らかになってそれに向かって行動できるケースはカウンセリングも何も必要がないでしょう。しかし、調査を依頼する側の人の多くは、初めての方が多いのです。そうすると、調査結果が出ても初めての事柄にどの様に対応すればいいのか迷われる人も多くみられます。

中には迷いに迷って調査結果を活用されない方もあります。何らかの案件を解決するための調査でした。しかし、調査結果への対応に迷われるのです。それは、先にも書きましたが初めての経験であることと、問題を解決するために行動を起こせば状況がさらに悪化するのでは、などとお考えになる場合、解決のための行動は起こせないでしょう。

調査結果への対応に関してのご質問は沢山頂きます。どの様にすればいいでしょうか、という様にです。そこでまず、調査を依頼された方は、調査された側の人との関係をどの様にお考えになるのかを、相談された側は知る必要があります。

次ぎに、依頼者のお考えが分かれば、相手との関係がお考えの通りにもの事を運ぶには何をどう考えて、どの様に行動に移せばいいのかの問題になります。

問題解決のためには、ひとつ一つの気になることを予め想定しながらも自分の考えている様な結論を導き出したいのが依頼者の大多数です。そこに同伴して、依頼者の気持ちを考えながら抱えていらっしゃる案件が解決に向かう様にアドバイスするのが調査後のカウンセリングです。

多くの興信所が行っているカウンセリングは、お客さんを獲得するためのカウンセリングのようです。電話で問い合わせをされた方の心情に合わせて同情し仕事につなげるのがカウンセリングだと錯誤の考えをされている業者が多いようです。

実際にあった間違ったカウンセリングです。
その方は、何軒かの興信所に電話してご主人の不倫の相談をされたのでした。しかし、全ての業者は、調査を勧めるだけで相談にはなりませんでした。興信所は何処も同じですか。と、いうご質問を何度も頂いたことがあります。更にひどいのでは、やはり夫の不審な行動について相談をされた人からのご意見です。

ご主人の不倫相談で、電話に出られたある興信所の女性相談員は、相談された女性に向かって「男性は夏になると発情して、浮気をよくする様になるので調査をした方がいいですよ。」と、おっしゃったそうです。

この言葉をお聞きになって、常識も何もない人間が電話口に出ている、相談の電話を入れたことが恥ずかしい。と、おっしゃっていました。この興信所のこの手の話は数人からお聞きしていますので、嘘ではないようです。

前記の様な不評を買う興信所は、個人の問題に関わる仕事をしてはいけないのではないでしょうか。この手の興信所は、個人のプライバシーを食い物にしている業者です。

これらの業者と一線を画すためにも、これからの興信所は「調査能力の向上」「プロファイリングの技法」「カウンセリングの力量」を身につけて信頼される調査業者になるべきではないでしょうか。少なくとも私は、前記の様な興信所と同じように見られたくはありません。自分が携わっている仕事に自信と誇りを持ち、皆様のお役に立ちたいからです。

尚、余談ですが、悪質といわれる興信所は業界からドンドン排除しなければなりません。それは、興信所イコール悪質業者、というレッテルを社会から貼られるのを避けるためです。現在日本には興信所などの調査業者の組織が幾つかあります。それらの業者は、加盟員増加を第一義に考えているのか、業者の質の向上をうたいながら、悪質業者を放置しているどころか、それらの業者を加盟員にしているのが実情です。そして、一番信用できる業者の集まりの様に広告しています。情けない話ですが、言っている事とやっている事が矛盾します。

13.興信所の改善すべき点について

1,料金の支払い方法
調査料金は、調査を頼みたいと思っていらっしゃる多くのお客さんが気にかけられている点です。調べたいけれどお金が気がかりだ。どのくらいのお金が必要なのかを調査を依頼される前は気になるところです。

料金を前払いで支払ったにもかかわらず、いつまでたっても調査結果の報告はない。催促をすると、担当者がいないとか変わった、或いは退社した。等々の無責任且つ調査をしているのかどうか疑わしい返事ばかりである。報告を受けたけれど杜撰なものであった。或いは、調査を行ったとは思えない、調査結果の報告とは到底思えないデタラメな報告であった。

調査料金の先払いに関して、おおよそ以上の様な苦情が多いようです。悩みを解決したいが為に信用してプライバシーを興信所に打ち明けた上、前払いで支払ったのにこれでは、人の弱みにつけ込んだ詐欺ではないか。プライバシーに関わる事なので公にならないことをいいことに、すっぺらこっぺら言って言い訳ばかりする。何とかしたい、という思いで頼んだのに、余計に事が悪化した。頼むのではなかった。

料金の先払いに関して、おおよそ以上の様な苦情があります。興信所に関する苦情の大半は料金の先払いと調査結果の報告に関する問題です。

2, 不透明な料金体系
調査料金の先払いと関連しますが、料金体系がよく分からない、というものです。例えば、成功報酬で不倫の証拠撮りを依頼したが、不倫の証拠とは言えないものを調査結果として報告してきた。調査を開始して尾行したので、調査に成功したので今すぐ調査料金を振り込んで欲しい。

半日の不倫調査の料金はいくら掛かるのか、と聞いたところ、13万円だと言われた。思わず高い、と言うと、特別に半額にしておきます。と、言われた。こんな事ってあるの、と疑ってしまったので頼まなかった。

基本料金を総額と思う様な書き方をしていたので安いと思って頼んだ。結果、高額の調査料金を請求された。各社まちまちの調査料金であったので、何処を信用していいか分からなくなったので頼むのを辞めた。

調査料金の料金体系と金額には驚くほど開きがあります。この点を改めなければ興信所に対する不審感は益々大きくなるのではないでしょうか。

3,ずさんな調査報告書
杜撰な報告書を出すのは、報告書の書き方を知らないのか、或いは調査そのものが杜撰で書きようがなかったかのどちらかです。報告書の書き方を知らなかった場合は、事実関係が分かりますので調査結果はおおよそ分かります。一方で、調査結果の事実の報告とは信じられないものがあります。これらは、多分、何かを確認した程度で報告書を書いたのではないでしょうか。

又、報告書の値打ちをつけたい、という業者の思いがあるのか、一昔前に使われていた様な難しい言葉を用いて書いている報告書も見たことがあります。意味が分からないのです。さらに、調査の主旨、つまり依頼者がお知りになりたい調査項目とかけ離れた事柄を延々と書いて、その報告書は何を言いたいのか分からない様なものを、調査を依頼されたお客さんに見せて頂いたこともありました。

4,調査能力の問題
興信所を営業するには都道府県の公安委員会に届け出さえすれば営業できます。調査能力のテストも何にもありません。調査料金も各々の業者が勝手に決めています。届け出を済ませて今日から営業を始めた興信所も10年20年と経験のある興信所もお客さんから見ると調査能力は同じようなものでは、とお考えになるようです。

興信所の調査能力は月とスッポン、幼稚園の生徒と大人位の差があります。その見分け方は、先述の通りです。お客さんからお聞きした話です。何々協会に加盟しているとか弁護士協同組合指定の業者だとの広告を見て頼んだけれど、ろくでもない調査結果だった。文句を言うと、逆ギレされた。恐ろしかった。と、言う声もお聞きしています。

5,業者の胡散臭さとは
興信所など、主に個人のお客さんを対象とする調査業は、一部の人に胡散臭い業種、という様に思われているようです。この点を払拭しなければ調査業の社会化は図れないのではないでしょうか。調査を頼みたいけど、何となくコソコソと人のことを探る様で、頼む方も気が引けるので調査をお願いする方も迷う。と、言うようにおっしゃる方もありました。

又、ある人は、探偵という名前のところは、どうもいい加減で信用できないイメージがあるので興信所に頼みに来ました。と、おっしゃった人もありました。名前からのイメージは大変大切ですが、それ以前の問題として、何故胡散臭いと思われるのか、この点について業者は考えなければならないようです。

[1]どうすれば改善できるのか
以上の5つが、興信所が変化し進化して社会一般に受け入れられるために改善しなければならない主な問題だと考えます。改善するには何をどの様にすればいいのかが問題です。改善の必要性は興信所の仕事に就いている人なら誰でもお分かりだと思います。しかし、何をどの様に、となるとなかなか具体的に行動のイメージが浮かばないようです。

[2]改善すべき事柄
早急に改善しなければならないことは、興信所などの調査業に携わる人の教育ではないでしょうか。長年我流で行われてきた調査の仕事です。その人達は、それなりの理論と実践で今日まで仕事の流儀を築いてこられたことでしょう。
いわゆる調査技術です。

その事に関して何ら異論はありません。しかし、時代の移り変わりと共に個々の興信所の調査流儀(調査技術)では、依頼者のお知りになりたい事柄に的確にお応えするには無理なところもあります。なぜなら、調査技術は、調査を完成させる20%〜30%の価値しかありません。技術は、実際に手足を動かして情報収集する方法になります。これは具体的ですので誰にでも分かりやすいのです。

しかし、それを成し遂げるには、依頼を受けた調査を、依頼者の主旨に沿った報告をするにはどの様に調査の設計図を書いてどの様な行動をすればいいのかの部分が欠落しているのではないでしょうか。いきなり技術論に入ってしまっています。

つまり、設計図のないまま現場を重視した結果、ある程度の調査は経験と道具で出来るのですが、意味のある調査結果は技術と道具だけでは無理があります。無理がある調査方法を重要視していては、一部依頼者のご期待に応えられても、その調査には限界があったり、問題解決にとんちんかんな回答をする様になるのではないでしょうか。

家を建てるのに経験と技術だけではある程度のものは出来上がるでしょう。しかし、個人の経験を超えたものを要求された時は無理があります。あくまでも設計図という戦略を描いた上での戦術(調査技術)によって依頼者の満足が得られるのではないでしょうか。

14.再び、興信所は探偵カウンセラーになります。

一般に興信所・探偵社などの調査会社を利用される機会は一生の内、そう何度もあるものではありません。従いまして、ご利用になる方は初めて、という方が多いのです。又、調査はそれなりのお金も掛かる上、業者がご依頼者のプライバシーを守ってくれるのだろうか、ということについても気になるところでしょう。

例えば、個人が家を買ったり売ったりするのはまれです。普通はしない人が多いのです。一生の内一度か二度で、何度もない買い物をするのは誰もが不慣れなのです。不慣れですがそれなりの金額が必要な家を購入する場合、お客様のライフスタイルに沿った物件を案内する人がいて始めて心配なく家を買う事ができます。

家を買うのと調査は違いますが、一生の内何度も繰り返すものでは無い、という点とお客さんの方は買い物の内容について不慣れだという点は同じです。

調査は依頼者であるお客さんが不慣れなので、調査結果をどの様に生かしたいのか、調査の結果どの様になる事を希望されているのか、お客さんの調査に対する思い等をよくお聞きして、お客さんが調査をして良かった。に、応えられなければなりません。

それには、調査とカウンセリングを一体化した調査会社が、これからの社会に応えられる調査業の姿だと考えます。

調査をして良かった。と、思っていただくには、何事かの、或いはある人物の調査期間の行動などを報告しただけではお客さんは消化不良に陥ります。調査して対象(相手)の事柄について、或いは行動の内容は分かった。しかし、この結果をどう受け入れればいいのか。或いは、どの様に対応すればいいのか。自分と調査結果の事実の妥協点を見つけ出すにはどう考えて行動すればいいのか。等々の判断が難しい、という問題が残る場合があります。

お客さんの調査の目的は、調べて事実を知りたい。そして、その問題を解決したい。と、いう思いで調査を依頼されます。よく聞きますが、調査業者はある事柄の事実を調べて終わり、という考えがあるようです。これでは、調査して問題解決が出来た。解決の手がかりになった。と、いうようにならない場合があります。

なぜ調査だけでは問題解決にならないのか、というと、お客さんは調査してその調査結果で分かった事柄への対応に馴れてないのです。家の購入の際の例で申し上げましたが、体験してない事にお金をかけて物なり情報なりを手に入れた場合、その使い方、生かし方を知りたいのです。情報が手に入っただけではダメなのです。その情報を自分用に活用できなければダメなのです。

調査を受けて結果を報告しました。あとの事は知りません的な態度を取る興信所は、提供したサービスの活用方法を説明できないのではないでしょうか。それは、多分興信所の無知が原因しているのでしょう。調査後のアドバイスをしてくれる会社に調査を依頼します。と、おっしゃる依頼者が非常に多い事は先の事例でも分かります。

これは、当然といえば当然です。社会が個人中心になってきている以上、当然ですが自己責任も問われています。自分の事は自分で処理しなさい。と、いう社会ですので。

しかし、未経験の場合、そして、個人の気持ちが絡んでいる場合の問題解決はそう簡単にいかないのです。調査結果の情報とご自身の気持ちを考え合わせた対応について、更に問題解決の方法についてのアドバイスを業者に求められています。依頼者のこういう要望に応えきれない場合、興信所は、社会から役に立たない、という様にして見限られるのではないでしょうか。

そこで、調査会社は、調査結果を分析するプロファイリング、お客さんの気持ちを整理する手助け、相手を理解できるようなカウンセリングの能力が求められています。ここでいうカウンセリングは、業者がお客さんを獲得するためのトークではありません。お客さんの調査の目的は、調べて事実を知りたい。そして、その問題を解決したいです。

興信所が行う具体的カウンセリングはおおよそ次のとおりではないでしょうか。家族問題を解消するためと、悩みを払拭して自分らしく社会参加出来る方法のカウンセリングです。癒しとか協調するカウンセリングではダメです。解決されなければならない問題の所在は何処にどの様にあるのか。問題を解決するには何をどの様に考えればいいのか、等々のアドバイスになります。そして、実行するためにはどうすればいいかです。

興信所が行う主なカウンセリングを通じてのアドバイスは、家族問題が中心になることから具体的には次の様な項目になるのではないでしょうか。

夫婦・親子のカウンセリング
不倫問題のカウンセリング
別居に関するカウンセリング
離婚問題のカウンセリング
恋愛・結婚問題に関するカウンセリング
人間関係のカウンセリング
更に、個人の要らざる悩みを解消して自分らしく社会参加する方法等々のカウンセリングです。

15.依頼者の悩み解消に役立つ

これからの調査業者は、調査の価値の創造に目を向けるべきだと思います。
興信所などの調査業者は、社会にどの様なことで役立てるのか。
どの様なことが期待されているのか。

これらの事を考えた場合、どの様な業種に於いても価値の創造が問われています。我々の仕事に関する価値の創造とは、直接の調査の他、調査に関連した他の領域の仕事とリンクさせた新たな仕事を調査に組み込むことになるでしょう。

それは、調査の現場で依頼者と話し合っていて分かることですが、カウンセリングです。調査とカウンセリングを組み合わせた調査業は、調査の価値の想像であるでしょう。プライベ−トな問題を多く扱う調査という仕事に携わっているとカウンセリングの能力は必要不可欠である事を実感します。

興信所がお引き受けする調査種目のほとんどは、ある種の現象を伝えるわけです。しかし、それだけでは依頼者は満足されない、というよりも物足りなさを感じていらっしゃいます。いわば消化不良に陥られるケースがあります。

ある種の事実としての現象が表出するのには、それなりの原因とか根拠のようなものがあります。それは何故そうなったのかというものになります。事実の結果だけが分かっても、原因となるものが分からなければ納得しがたいのです。

同じように、原因と結果が分かっても対策とかの後の処理の問題が分からなければ、情報として得られた調査結果の事実が生かされません。調査結果としての現象の原因を分析してより真実を理解し、さらに、調査結果への対策は、カウンセリングのチカラを借る必要性に迫られるのは誰の目にも疑いの余地はありません。

時代の変化とめざましい価値観の変化の中にある今、興信所などの調査業者も例外ではないように思います。今までのようにただ調べるだけの調査業者から、ご依頼者にとって価値のある調査であった、と思って頂くためには「価値の創造」は不可欠です。

調査業者の「価値の創造」は、というと「カウンセリング」になるのではないでしょうか。人の動き及び働き、そして、物の移動、動き、などには人の「意思」なくして成り立ちません。この「意思」を無視した調査は、前時代的な調査になるように思います。心の時代といわれるようになって久しい今日、特に人の動きに関しましては、その「意思」を推測し分析していくカウンセリングの力量が「調査業者」の優劣を左右するのではないでしょうか。

16.責任を持つ姿勢

興信所・探偵社などの調査業界にも2極化の波が押し寄せています。本当のところは2極化どころか3極化の方向に進んでいるのかも知れません。3極化は別にして2極化の方向にあるのは間違いがないでしょう。どの様に2極化に向かっているかというと、安全面、セキュリティを仕事の中心に位置づける興信所と、安心を重視する興信所に別れるようです。

安全面を中心に位置づける興信所は、一口で言うと「ガードマン的」「防犯」を重視した方向に進んでいるようです。一方、安心を重視する業者は「気持ちの安心」などを「調査」とリンクさせて心の問題にも取り組む方向です。そして、もう1極あるとすると、何も感じない、しない業者です。それらの業者は、調査依頼が昔と比較して少なくなった。それは、不景気のせいである。時代が変わった。と、考えている人たちのグループではないでしょうか。

人間が安心して安全に生きるには「心の問題」がおおいに関係します。人の気持ちの問題です。2極化の一方の極である「心の安心」「気持ちの問題」を本来の調査と統合した調査業者がこれからの調査業者のあるべき姿、だと考えますのでその事について述べてみます。

今の社会、個人の欲求・欲望を追い求めるあまり、生きていく過程において様々な障害が発生するようになっている様です。この場合の障害とは、個人が社会と上手くやっていけないという事です。つまり、社会不適応現象です。それは、不登校、引きこもり、ニート、家庭の不和、離婚問題、更に訳の分からない、親が子どもを虐待したり殺したりする事件。逆に子どもが親を殺す事件。理由もなく他人を傷つけたり殺したりする事件、これらは毎日のように起こっている感じです。悪くいうと、社会現象のようになってきています。

これらの事件の背景は、個人が社会と不適合を起こした結果ではないでしょうか。不適合を起こす前に、何らかの不安とか悩みを関知しているハズです。しかし、不安とか悩みを聞いてくれて、解消するための相談に乗ってくれる機関は無いに等しいのが現実です。あるのだろうがそれほど身近な存在でないでしょう。

悩みをかかえていて親に聞いても、その親が明確に答えられない場合が多いようです。大方の親は、そのうち良くなるとか、ガマンせよ、としか言えないのが現実です。本人は悩みをかかえきれなくなって、悩みが肥大化し、いつでもどこでも、という感じで同じ事を考え続けた結果、苦しくなる。苦しくなるので、苦しさから開放されるために、別のイメージを作ります。他者を攻撃したり破壊したりして、通常では理解できないことを起こして安心を得ようとします。

何事かの結果が起こった後の処理も重要ですが、その何ごとかの事件を防止するための社会のシステムは更に重要だと考えます。それには、個人で処理できない心配事、困り事、悩み事などは発生した時点で相談して解消するシステムが必要のように思います。何事も抱え込まずに気軽に相談できる機関を設けるとか、或いは、不安の対象がハッキリしている場合は、その対象の実態を調べて、対策を考えるなどして、可能な限りいろいろな問題を抱え込まないようにする。と、いう社会のシステム作りが必要だと考えます。

これらのことを実現するにはどうすればいいかを考えた場合、手前味噌になりますが、個人の悩みに一番身近な位置で接しているのが個人を対象とした諸問題を扱う興信所・探偵社などの調査業者です。

個人的、或いは家族的な問題を扱っている興信所は、個人と社会の橋渡しの役目を担っている、といえます。何らかの理由で自分らしく振る舞って社会参加に一抹の不安を抱えている人が、社会参加しやすくなるお手伝いをしているのです。いわば、人間がひとり一人健全に生きていくためにはどうすればいいのかの問題も扱っているのです。

個人情報保護法の施行によって、調査業者は仕事がやりにくくなってきているのは確かです。しかし、個人情報が施行されたからといって、人と接触しなくてもよい世の中になったのか、と問うてみた場合、そんなことは決してありません。昔も今も、誰でも一人で生きていけないことに何ら変わりないのです。他者を排除して自分一人だけでは生きていけない社会システムになっています。

市民の一番身近で、悩み事にかかわっている興信所等の調査業者は、たた調べるだけでなく、調べた後、依頼者の問題解決の対策にも力を貸すべきです。もちろん調査前の相談にも真摯に対応すべきです。決して、自社の売り込み目的の営業に走りすぎないことです。悩みの原因と解消策を示唆できるカウンセリングの能力を身につける必要があります。これが、調査業者の社会化を図る具体的な手段のきっかけになると考えています。

17.あと書きにかえて

増え続ける心が生きられない高齢者
不景気な世の中ですが、気持ちだけでも明るくありたいと思っています。そして、人の心の痛みが分かり合える社会でありたいと常々願っています。しかし、時代はどうもそういう方向には動いてない様です。自分さえ良ければいいという間違った個人主義の方向に進んでいるのではないでしょうか。仕事を通じてそう実感します。

一昨日と昨日、続けて72歳と84歳の老婦人がいきなりお見えになりました。
お見えになった理由は調査の依頼ではなく、色々抱えている問題があるけれど自分ではどうすることも出来ないので、といって相談にこられたのでした。

2人の老婦人のお話は共通するものがあり、老後の問題を示唆されているようでした。いずれのご婦人も若い時から一生懸命働いてこられた結果、今ではそれなりの経済力を手にされ、子供さんも独立されてお孫さんも授かられている状況にある人でした。そして、いずれのご婦人もご夫婦2人だけの世帯で暮らされていて、子供さんもそう遠くない距離で世帯を構えていらっしゃるのでした。

一見、何不自由なく老後の生活を楽しむ状況にあるのですが、それは外から見ての話で、内実はそうでないようでした。相談にこられた1人の若い方のご婦人は、結婚されて45年余り、もう1人のご婦人は約60年だと仰っていました。経済的には何不自由ないご婦人2人が抱える問題は何かというと、夫の異性問題だと仰るのです。その状況証拠なる昔の物をお持ちになっていました。

その証拠だと云ってあれこれと私にお見せになりました。これはあの時の物で、これはあーした時の物。と、いうように説明されるのでした。2人が仰っていた共通点は、ご自分はなりふり構わず家族のために働いてきた。その間夫の行動は気にしていなかった。異性とのお付き合いはあったかも知れないし、なかったかも知れない。相手の姿が映った写真とか交際のあったことを証明できる物を夫は持ってない。しかし、今も好きなことをして時々行き先が分からないのは女に会いに行っているに違いない。

女に会いに行くのだろう、と言うとケンカになって話の結論が見いだせない。女の事に関して夫に聞いても一切云わない。ただ、うるさい。やかましい。関係ない。と、云うようなことをいつも言う。今でも女の存在を隠し続けるので毎日気が晴れない。子供に相談すると、被害妄想だとか考えすぎだとかいう。私の気持ちは誰も分かってくれないので相談にきた。と、云うように2人の老婦人はお話しされていたのでした。

2人とも2時間ほどお話をお聞きしたのですが、2人ともよくおしゃべりになりました。日頃の鬱憤を一気にはき出すかのように、こちらの聞いてみたい事とか矛盾しているのでは、と思う点についてお聞きしてみようにも、どのタイミングで言葉を挟んでいいのか分からなくなる位饒舌でした。又、私のところに来られる前に色々な公共機関に相談されたそうですが、納得する答えが得られなかった、ともおっしゃっていました。

2人の憂うつな日々の原因は、ご主人の異性問題が解決してない事でした。それが解決されないままなので、現在の夫婦の間がギクシャクしている。と、いうように理解されているのでした。つまり、若い頃の夫の異性関係が今現在も引きずっていて、夫は心の中では女の事を考えている。故に夫婦はうまく行かなくなっている。会話をしてもかみ合わない。経済的なことに関しても夫は誤魔化している。それは、女に使うためである。等々ご主人とうまくいかない大本の原因は、未だに続いている夫の女性関係のせいである。と、お考えになっているのでした。

その影響でご自分はないがしろに扱われ、まるで道具のような状態に置かれている。結婚以来この家をもり立ててきたのは私ではないか。それなのに未だに女にうつつを抜かして反省の情も示さないのは許せない。しかし、周りの人間は、私のこの思いを理解してくれないようだ。どうすればいいのか、というようなご相談でした。

2人は共に働き者だったようです。それはご主人の仕事休みの日でもご自分は務めとは別に働かれて、家を建て更に子供の教育のために働かれてきたのでした。そして、定年を過ぎ、子供さん達も独立されて、結婚当初のような夫婦2人だけの日常に戻ったのでした。しかし、2人だけの生活は砂を噛む様な味気ないものを感じられたのでした。それは、描いていた老後とは余りにも違いすぎるので、原因は何処にあるのか、と探り始められたのでした。

原因は、若い時に気付きながら放置していた夫の不倫問題だ、という様な結論を導かれたのでした。夫に相手にされない。相手にされないどころか場合によっては暴力を振るわれるようになるので、自分自身のアイデンティティが無いことが分かり、どうすればいいのかの答えを求めてあっちこっちに相談されてきたのでした。

2人の老婦人はいずれもよく働く人でしたので、夫の経済活動はご自身よりも劣る、というように若い時から見てこられた。いわゆる男勝りで働かれ、家庭内もご自身の考えで切り盛りされてきたのでした。何がどうあろうと経済的な面が充実していれば問題ないのだ、後のことはお金があればどうにでもなるだろう、というお考えで今日までこられた様です。

夫との間で安心とか思いやりという目に見えないものから得られる豊かさよりも、物欲が何事にも優先する、というお考えであったことは、お話しいただいた中でよく分かりました。年を取って夫婦2人の生活となった今、若い頃の働きに見合った安心は得られてない。この原因は夫にある。夫の不倫である、という結論を出されたのです。

ご高齢の方に説教じみたことを云っても、また、今更考え方を変えてみればどうですか、などの事を言っても無意味であることは承知していますので、仰っていた、夫は現在も女性と交際していると思う。と、思われていることも始め仰っていた全てのことを受け入れて、夫とうまく行かない原因は、目に見えない夫の異性問題だけなのか、異性問題を解決するにはどうすればいいのか、等々の問題点を話し合ったのでした。

2人ともお帰りになる時、久しぶりに人に鬱憤をはき出したのでスッキリされたのか、来て良かった。気がだいぶ楽になりました。又来てよろしいか。と、言ってお帰りになりました。

この事は、ご相談にお越しになった2人だけの問題ではなく、今の日本の社会を象徴している家族問題を超えた社会問題だと思ったのです。家族問題という家族の人間関係の問題よりも、コミュニケーション能力の欠落が原因による異常な状態が老夫婦にも影響が出ている象徴的な出来事だと感じたのです。

その原因は、人権主義とか個人主義の行き過ぎである等と巷間色々といわれていますが、その是非はともかく、大本の原因は言葉の能力低下に原因があるのではないでしょうか。夫婦・家族の思いやり、いたわり等の言葉はもちろん、家族で将来を語る言葉が欠落し、余りにも現実の暮らしのみを考える毎日を送ってきた結果、年老いた時の夫婦の有り様などについて意識が向かなかったのではないでしょうか。

最近、高齢者の人たちからのご相談を受ける機会が増えてきました。それも経済的には何の心配がない人たちです。これらの事例からも「人はパンのみに生くる者に非ず」という言葉を思い出します。心が生きられなければ生きている実感は得られないのだ、ということをあらためて思ったのでした。

 
 
× 閉じる
不倫調査 離婚問題 興信所利用