◆不倫で慰謝料を請求された場合の対策◆

私のところに不倫を働いている女性から、以下のようなご相談がありました。その受け答えについて書いてみます。何かのヒントになれば幸いです。ご相談いただいたケーススタディは次のような案件です。

私（女性）は､妻子ある男性と不倫関係を3年間続けていました｡しかし､最近その事が彼の奥さんに知られることになりました｡その結果､彼の奥さんから「主人との交際の中止」及び「慰謝料」200万円を支払え､という「内容証明郵便」を受け取ったけれど､どの様に対応すればよろしいでしょうか？というご相談でした。　

相談者いわく､彼が既婚者ということは2年前まで知らなかった｡もしや結婚しているのでは､と思ったこともあったので3度ほど彼に､家族があるのかどうかを聞いたことがあった｡しかし、その都度､彼は独身である｡心配せずにお付き合いを続けよう､と言った。独身である､という事と心配せずに交際を続けよう､という言葉を信じて3年間過ぎた｡交際はさらに親密になった｡彼の職業は自営業であった｡資金繰りに必要だという事でお金も融通し事があった。

その後､彼に妻子があることが分かり､その事を正したところ彼は､『妻とは家庭内別居である｡夫婦関係も3年ほど無い｡親権の話し合いがつけば別れる。』という言葉を信じて交際を続けていた。それなのに､今回彼の奥さんから「内容証明郵便」が送られてきた､という相談です。　　　　

従来とは逆で､慰謝料を請求された女性の対策のご相談です。ご相談者様への私の答えは次の通りです。「内容証明郵便」の差出人は､ご相談者の不倫相手の奥さんですが､その奥さんにストレートに対応せず､不倫相手男性に「内容証明郵便」を出すように勧めました｡奥さんへの返事の代わりに､奥さんの夫､つまり相談者の不倫相手男性に出す､という変則的な形を取る様に勧めました。

ご相談者のケーススタディに関し「内容証明郵便」のサンプルを以下に記しておきます｡ご参考下さい｡思わぬ効果があります。慰謝料を請求された時の「内容証明郵便」のサンプルです。

◎私と貴方との交際に関し､貴方の奥さんから私に､交際の中止と慰謝料200万円の請求が「内容証明郵便」でありました。前記請求に関し､以下の通り申し上げます。

　私は､3年前貴方と飲み会で知り合い､貴方が独身だと聞いて交際が始まったのでした｡しかし､交際を続けるうちに既婚者では､と思うときが数度ありました｡その時､その点について貴方に正しました。その結果､貴方はいつの場合でも独身である｡と､いう返事でした。よって､私は貴方の交際を継続する決心をしたのです。　右､交際を続ける間に､貴方に妻子があることに気付いたのでした｡その事について貴方に説明を求めたところ､奥さんとは家庭内別居の状態である｡夫婦関係も3年ほどない｡離婚を決意している｡と､いう言葉を聞いたので貴方の言葉を信じ､交際を継続してきたのです。私は貴方に、独身か否か、妻子ある身で交際を継続するのはいかがなものか、等々の点について貴方に確認したのでした。その結果､貴方の答えはいつの場合でも､交際を継続しても問題ない｡と､いう返事でした。これらの事から私は､破綻した夫婦の一方と交際しているものと認識していました。よって､貴方の奥さんからの請求に関して､受け入れる事はできません｡慰謝料を請求したいのは私の方です｡貴方は､独身と偽り､私からお金を巻き上げた行為は､結婚詐欺に当たります。

　貴方の奥さんからの､貴方との交際中止及び慰謝料請求に関して､以上の通りの考えだという事をお知らせします。同時に貴方の奥さんから私及び家族への一切の申し出を中止されるようにお伝え下さい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上　　　　　　　　　　　　　　　　　平成○○年○○月○○日

相手　　　住所

　　　　　氏名

差出人　　住所

　　　　　氏名　　　　　　　　　　　　　　印

上記は「内容証明郵便」のサンプルです｡実際にこの様な文面を不倫相手男性に送った結果､その後､不倫相手男性の奥さんから何も言ってこなくなったそうです。ポイントは､不倫相手の奥さんに返信するのではなく､男性の奥さんの夫に「内容証明郵便」を出す｡これがポイントです｡　　　　　　　　　　　　　

今現在､不倫状態にある方､あるいは不倫がバレて困っていらっしゃる方のご参考になれば､と思って書きました｡この方法が有効なのは、「夫婦は対の関係である。」と、いう事｡そして､家の中は「非社会性の世界」つまり､夫婦の気持ちを中心に成り立っている夫婦は共同体である。と、いう原理原則を逆手に取ったのでした。